症例

TOP > 症例

イメージ

鍼灸治療が初めての方は、自分の症状はどれぐらいの頻度で、どの位の期間通えばいいのか知りたいと思います。
その方により体質、病歴、病の程度が違いますので、実際に診察してみないと何とも言えませんが、一般的には病にかかった期間が長かったり、病状が重ければそれだけ治療期間もかかり、病状が軽かったり、病に罹ってから日が浅ければ、治療期間は短くなります。

通院頻度としては、1回目の治療作用が消えないうちに2回目の治療をしたほうが効果が高まりますので、最初のうちは週に2~3回、症状が緩和してきたら週1回、10日に1回というように間隔をあけていくのをお勧めします。

長期にわたる疾患の場合、数回治療しないと変化が表れないことがありますが、その間に一番つらい症状だけでなく、その他の気になる症状が緩和されるなど、何らかの良い効果が期待でき、体が快方へ向かっているのを感じられると思います。

鍼灸治療を継続するなかで、もし不安な事や、心配事、疑問がありましたら、いつでもお気軽にお話ください。
多くの症例のうち一部を載せましたが、例え同じ病名でもその方の症状の程度や生活環境、食生活、仕事の状況などにより、治り方や治るまでの時間が違いますので、それをご理解のうえ、参考にしていただければ幸いです。

冷え・易疲労・ホットフラッシュ

56歳女性のケース

症状 10年前からホットフラッシュ発現。仕事中や緊張時、夏場に頻繁に起こる。
2年前から疲れやすくなり、足の冷え・手のほてりがひどくなる。その頃漢方薬を処方してもらい、以前より足の冷えが改善されるが、体幹(腹・腰・大腿)の冷えがきつくなる。夕方冷えが強まり、生あくびが頻繁にでる。
随伴症状に不眠・動悸・頻尿・顔や頭ののぼせ多汗・便秘など
治療経過 週2回の治療
1診目 素体は腎陽虚であり、少陽病で寒熱挟雑していると考え、温補腎陽・少陽経の調整を目的に治療。
3診目 入浴中も冷えを感じていたが最近(-)ホットフラッシュ(↓↓)経過良好の為週1回の治療にする。
7診目 冷えは感じなくなったが体のけだるさがあり、朝から疲れている。肺気虚の治療を加える。
11診目 けだるさ(-)その後、仕事で長時間の立ち姿勢の為、膝痛や足の違和感があり体調管理で数ヶ月治療を続ける。
治療終了時には、よく眠れるようになり、仕事が忙しくてもあまり疲れなくなる。
コメント 女性の閉経の平均年齢を50歳として、その前後5歳(45歳~55歳)ぐらいにホルモンバランスの乱れから更年期症状が個々により強く出たり、かるく済むことがあります。
その時期にストレスが強くかかったり、オーバーワークなど、体に負担がかかると何年たっても更年期症状が続き、なかなかそこから抜け出られないということがあります。鍼灸治療により、腎気(加齢で衰える)を補い、体の陰陽バランスの崩れを調整する事で、様々な不定愁訴が改善され、早くひどくならずにその時期を抜け出ることが出来ると考えています。

不妊

2011年2月 35歳女性のケース

症状 月経前症状(イライラ・落ち込み)ひどくピルを2年間服薬。
ピル中止して半年様子みるが授からず、不妊専門病院受診。内膜症初期・多のう胞性卵巣・高プロラクチン血症と診断。基礎体温は二層性だが、低温から高温への移行が数日かかり、高温期が一定しないまま下がる。仕事が忙しくなってきた20代後半から、発作的に手足氷のように冷え、体の芯・胸の辺りが熱くなり脇・胸・背中に多量に汗をかくようになる。
3年前から忙しい時など寝汗をかく。漢方薬(煎じ薬)を約1年服薬。漢方薬を服薬しだしてから、頻度は減る。
月経前は物忘れが激しく、ケアレスミスが多い。ここ1年は誘発剤とタイミングで様子見。
治療経過 週1回治療
1診目 月経周期16日目  疎肝理気・滋陰補腎を目的に治療。
2診目 月経周期24日目  前回から寝汗・手足が急に冷えて胸が熱くなるという症状(-)治療のあとは気分が落ち着き、リラックスする。
3診目 月経周期31日目  昨日高温期がいつもより高く、味覚が変わる。自分で検査薬を使用し確認したところ陽性反応。婦人科で胎嚢確認できる
4診目 妊娠6週  つわりがひどく来院できない為、しばらく様子見。
コメント この方はとても早く鍼灸の効果が表われたケースの一つですが、肝鬱(気の巡りが悪い)が酷く、そのうったいした熱が内にこもり、手足にいかないために冷える『陽鬱』
と考え治療した結果、気が巡り始め、心身ともリラックスし妊娠するにいたったと思われます。
2011年10月に3000gの男の子を無事出産されました。

不妊・無月経

29歳女性のケース

症状 社会人になってから毎月排卵痛があり、そのたびに病院へ受診。
痛みで記憶を失うこともある。25歳から約3年間ピルを服薬し、症状は良くなる。
ピルをやめ漢方薬にきりかえる。ピルをやめてから体温が2相性にならずずっと低体温のまま、ホルモン剤で月経をこさせる治療を繰り返している。他に動悸、冷え、腰痛など多数不定愁訴あり。
治療経過 週1回の鍼灸治療 補助療法のため、自宅でお灸をしてもらう。
4診目 冷えの緩和 ホルモン剤を服薬していたため月経がくる。動悸が頻繁にするため、その治療も追加する
5診目 動悸(-)8診目 数日前から高温期続く自力排卵あり。
9診目 前日から月経がくる。高温期の期間や月経期間はまだ短いが自力排卵出来たということで、ひとまず良い傾向。
14診目 数日前から月経くる 前回より月経期間が少し延びる。
19診目 卵胞の育ちが悪いのかなかなか排卵しないので、卵を育てる力をつけるよう治療。
21診目 数日前から月経がくる。仕事で腰痛、足のしびれが悪化。その治療も加える。
その後胃腸の不調や風邪、不正出血など、その都度治療を加えながら鍼灸治療継続。
まだ周期は不安定ながらも2相性ができてくる
45診目  鍼灸治療を始めてちょうど1年、妊娠していることがわかり、喜びのお電話をいただく。
コメント その後も自宅でのお灸を続けてもらい、元気な女の子を無事出産。安産だったそうです。

不妊・子宮腺筋症による諸症状

35歳 女性のケース

症状 月経4日目から大量に血の塊が出るため貧血による動悸、息切れ、頭痛、全身倦怠感、耳鳴りが悪化する。
鎮痛剤、鉄剤でしのいでいる。
産婦人科で不妊について相談したところ、子宮内膜が凸凹して着床しにくいため、人工授精を勧められる。
本人は、自然妊娠を希望して来院された。25歳から月経痛、月経過多、貧血徐々に悪化。28歳第1子出産。出産後も症状は悪化しMRIにて子宮腺筋症と診断。6ヶ月間ホルモン注射にて月経を止める。
その間体の調子は良くなるが、病態の改善はみられなかった。月経量は通常一般女性でトータル20~140グラムだが、その10倍も多く、血液検査では月経後、貧血の状態をみる数値が通常の10分の1以下になる
治療経過 週2回の鍼灸治療
2診目 月経後2日目だが動悸全くない。
4診目 月経4日目 貧血症状なし。
5診目 婦人科受診 血液検査の数値がいつもより少し良い。排卵痛も軽かった。仕事が忙しく週1回の鍼灸治療 自宅で補助療法としてお灸をしてもらう。
8診目 1週間前から月経、月経痛はあるが、前回の月経量より3割減る。4日目から出る大量の血の塊も少量だった。貧血による諸症状も全くなし。
11診目 月経後の血中ヘモグロビン値(貧血の状態がわかる)が今までで1番良い。排卵痛なし。週2回鍼灸治療。
13診目 数日前から月経 4日目からの大量の血の塊はない。貧血症状なし
コメント 治療をはじめて5ヵ月後に妊娠していることが分かる。

蕁麻疹

7歳女の子のケース

症状 2歳アレルギーと診断され、減感作療法を受ける。4歳蕁麻疹が5か月続く。
治療経過 最初は小児鍼で治療 週2回の治療。
2診目 蕁麻疹はでるが、翌日久しぶりにきれいにひく。6診目 一番細い鍼で治療。9診目 調子よく、蕁麻疹のでない日が続く
コメント 食欲も以前よりでて体重が増えました。季節の変わり目など、蕁麻疹のでることもあるが、最初の鍼灸治療から3ヵ月後蕁麻疹、咳のでない日が続くようになる。
1年後蕁麻疹はほとんどでなくなり、鼻水も以前より軽くなりました。

アトピー性皮膚炎

19歳女性のケース

症状 生後半年から背中・お尻がカサカサし、3歳の時小児科でステロイド軟膏を処方される。12歳 顔にジュクジュクした膿が出る。
ステロイドのリバウンドで悪化。一時的にひかせる為、ステロイド注射を打ち、薬をやめ3~4年かけて徐々に良くなる。18歳の時大学受験で悪化。ステロイド剤を半年間服薬。19歳からステロイド剤減らすが、又悪化し1週間入院。
治療経過 週3回の鍼灸治療
3診目 3~4日に1度だったお通じが、毎日あるようになる。
5診目 顔の赤みが少し減る最初の鍼灸治療から2ヶ月ぐらいで赤み、乾燥が減る。ステロイドの副作用で月経不順だったのが、毎月くるようになる。4ヵ月後 痒みも減っていき、治療間隔を週に2回に減らす。1年後 赤み、乾燥はほぼ無くなり、お化粧もできる様になる。
コメント 花粉症もある為、その治療も加えながら週1回の鍼灸治療を続ける。
季節の変わり目や疲労で時々悪化するため、良い状態を維持できる様、しばらく鍼灸治療を継続し、アトピー特有の皮膚の赤黒さも薄くなりました。

ネフローゼ症候群に伴う諸症状

26歳女性のケース

症状 4歳から糸球体硬化症を原因とするネフローゼ症候群で過去5回入院している。
今回の入院から薬の効き目が悪くなり、前回の入院時は1週間で薬が効いていたのが2ヶ月飲み続けてもたんぱく尿が続く。
治療経過 週3回鍼灸治療
1診目 治療後体がポカポカする。
2診目 治療中から体が温まる。
3診目 治療後から翌朝まで体が温まる。
7診目 病院受診 薬が8→6錠に減る。
20診目 薬が6→3錠に減る。週2回治療 順調に薬は減り一日1錠になる。血液検査の数値も正常になっていき、タンパク尿もでない日が続く。
コメント 季節の変わり目や疲れで悪化することはあるが、鍼灸治療を始めてからは入院する程ひどくなることはなく、アルバイトもできるようになりました。

腰部椎間板ヘルニア

43歳女性のケース

症状 2~3日前に重いものを持ち腰がドンとする。
腰に何人もぶら下がっているようなドシンとした感じで、右足が重く、しびれ、ピクピクけいれんする。
横になっていても痛く、夜も痛みで、眠りが浅い。5分ぐらいなら足を引きずりながら歩行可能。
治療経過 理学検査をしたところ、椎間板ヘルニアの疑いがあったので病院で精密検査を受けてきてもらう。検査結果は椎間板ヘルニアの疑いあり。
2診目 腰の痛みが緩和する、右足に力が入らない。
3診目 平地の歩行は平気になる 夜の痛みはなくなり、よく眠れる。
4診目 腰の痛みがなくなり、しびれやけいれんもほとんどなくなる。
6診目 仕事を再開する。仕事が終わった後、足が重い。
7診目 用事で半日外で立ったり坐ったりし、腰痛、足のしびれがでる。
8診目 腰痛、しびれ緩和。
14診目 日常生活に問題なくなり、仕事後も症状が出なくなる。
コメント その後、数回鍼灸治療して治癒しました。

肩・上腕の痛み

38歳女性のケース

症状 1ヶ月前にバレーボール中、サーブをしてから右の腕が痛くなる。
服の脱ぎ着や、お化粧、重いものを持つなど日常生活で頻繁に痛みを感じる。
治療経過 週2回鍼灸治療
3診目 痛み方が、軽くなる。
6診目 バレーボールをして少し痛みが強くなる。
13診目 痛みは9割良くなる。
コメント その後、数回鍼灸治療して治癒しました。

リウマチ

34歳女性のケース

症状 2年半前、朝足のこわばりがあり病院受診するが原因わからず、2年ぐらいかけて自然に緩和。
去年足の指をぶつけて、すごく腫れたためレントゲンを撮る。その時リウマチと診断される。毎日数回、足の小指と中指が突然チクチク痛くなり、腫れと熱感がある。首も動かしづらく、レントゲンでリウマチ所見が確認される。
治療経過 週2回鍼灸治療
3診目 2日間腫れと痛みがひく。
5診目 首の動かしづらさ緩和 小指はたまに痛む程度になる。中指は夕方やよく動くと腫れて痛む。
6診目 朝の腫れがだいぶ緩和する。
コメント その後、3ヵ月後に週1回の鍼灸治療へ。腫れもかなりひき、痛みを感じる頻度や痛みの度合いもかなり改善されました。9ヵ月後仕事をしても腫れ、熱感なく調子良くなりました。