鍼灸の効果

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鍼灸の効果

鍼灸の効果

ツボ

ツボの風景

全身に345+αあるツボは、神経、血管、リンパ節の近くにある
ことがわかっており、これらと特別な関係があると考えられてい
ます。

 

内臓

内臓の写真

胃潰瘍なら12番目の胸椎辺りに痛みや重苦しさを感じるなど、内臓の
異常が脊椎の両側に知覚異常として表われるということはよく知られ
ています。 これは、イギリスの医学者ヘッドが100年以上前に発見したのですが、3000年前からあるツボはこのヘッドが提唱する知覚過敏点とほぼ一致しています。 例えば心疾患など循環器系が弱ければ、心臓が位置する5番目の胸椎にある心兪というツボに反応が表われるなど。この反応の表われたツボへはり治療をすると内臓の変調を調整するように働きます。

免疫

免疫が上がる

細菌やウイルスが身体に侵入すると免疫組織の働きでこれらを退治して身体を守ります。 この有害微生物と直接戦って殺す役目をするのが、白血球やリンパ球、マクロファージなどです。はり灸治療をすると、これら白血球やリンパ球、マクロファージの量が増加し、有害微生物に近づく行動が活発になり、この敵をやっつける力(貪食殺菌作用)が高まります。
このように免疫力が上がれば、自分の持っている治癒力で病気を治し、また病気にもなりにくくなるという予防効果も期待できるわけです。

自律神経

自律神経向上

自律神経は循環・呼吸・消化・体温調節・内臓の働きなどを協調的に調節しています。 自律神経には交感神経と副交感神経があり、昼間は主に交感神経が働いて体がよく動けるように調節し、夜は主に副交感神経が働いて、体の緊張がとれよく眠れるように調節します。
過労やストレス、不規則な生活などは自律神経の失調をまねき不眠、食欲低下、気分がすぐれない、やる気が出ない他、冷えや頭痛、高血圧など様々な不定愁訴が現れてきます。 鍼灸治療は自律神経の働きを正常にし崩れた体のバランスを調節する役割があります。病院へ行くほどではないがスッキリしない、病院で検査を受けたが異常がない、でも日常生活に支障があるという場合には、鍼灸はいちばん適切な治療法だと思います。

鎮痛作用

痛み軽減

体をぶつけると人間の体はみずから鎮痛剤を作り、分泌するので自然に痛みが和らぎます。 これは人間が自分で自分を守る能力の1つで、これと同じことをより高い効果で長く持続させるのが鍼灸治療です。体内で作られる鎮痛剤を≪モルヒネ様物質≫といい、脳細胞から生成されるエンドルフィン、エンケファリンがこれであるとわかっています。
鍼灸治療はこの鎮痛効果の高いエンドルフィン、エンケファリンの生成・放出を促進するので、みごとな鎮痛効果がえられるのです。

血行促進

温まる

はり灸治療のあとに「体がポカポカする」「手足が温かくなってきた」とおっしゃる患者さんは多いです。それは、はり灸治療が血液循環を促進するためです。 酸素と栄養素を細胞に運んだり(動脈)、二酸化炭素と老廃物を運び出す(静脈)のは血管の役目で、この血管の若さこそ『本当の若さ』であると思います。血管が若く、血液循環がよければ新陳代謝がよくなり細胞や臓器の若さも保つことができます。
血行促進は、はり灸治療の重要なはたらきの1つであり、老化防止と健康増進にとても役立っています。

自然治癒

喜ぶ顔

人間は本来、自分のからだを自分で治す力(自然治癒力)をもっています。 体の抵抗力(東洋医学では正気といいます)が強ければいくら細菌やウイルス、がん細胞などの目に見えない敵(東洋医学では邪気といいます)がおそいかかってきても病気にはなりません。
反対に邪気が弱くても正気がそれ以上に弱っている場合は病気になってしまいます。 病気になるかならないかは正気=からだの抵抗力、免疫力によるのです。 免疫組織は身体にもともと存在しないものを「非自己」として取り除いてしてしまうので、がん細胞も異物として排除されてしまいます。
ではガンになってしまうのはなぜでしょう。 体の中では常にポツ、ポツと異変が生じていますが、通常は免疫組織がすぐにみつけて異物として殺してしまうので、ガンまで発展しません。 しかし免疫力がおちてくると、身体に有害な物質をとりのぞく力も低下してしまいガンになってしまうのです。
リンパ球は体外から侵入したウイルスや細菌と戦ったり、体内で発生したがん細胞を死滅させたりなど、免疫において重要な働きをしています。 鍼刺激によってリンパ球が増えることが実験でわかっており、それは感染症やがんと戦う力が増強されるということなのです。 鍼灸治療の最大の長所は、正気(免疫力、抵抗力)を高め、自分のからだを自分で治す力を引きあげることです。このことからも鍼灸治療は予防医学に大きな役割をはたしていると考えます。

東洋医学のお話

西洋医学

西洋医学

西洋医学は「部分的」であり、東洋医学は「全体的」であるといえます
西洋医学では身体と心は切りはなされ、臓器の器質的な異常を病気ととらえます。そしてその原因をつきとめ、治療法を決めてから治療が始まります。
東洋医学では「心身一如」といい、心と身体は一つであり、切りはなせないと考えます。心の状態が身体に大きく影響し、その反対に身体の状態が心に大きく影響すると考えるのです。
そして病気になるのは身体に流れる『気・血・水』や『陰陽』、『五臓』のバランスがくずれた為と考えます。治療の目的も、西洋医学は「病気の原因」を探すことに対して、東洋医学では「自然治癒力」を上げることに力をおきます。

東洋医学

東洋医学

東洋医学の考えに『整体観』という思想があります。これは人間は自然界の一つの要素であり、自然界の変化に影響されると同時に人間も自然界に影響を与える、という考え方です。
そして人間の身体の中にもこうした自然界と同じ構造があり、局所の状態は全体の影響を受けて変化しますし、局所の異常はからだ全体の状態に影響すると考えています。つまり自然と同様、人間も調和(バランス)のとれた状態こそ健康であり、バランスのくずれた状態が病気であるという事です。
バランスのくずれを戻すことが東洋医学の治療の基本で、自分の身体を自分で治す(自然治癒力)がうまく機能しない、そういう状態を手助けするのが私たち鍼灸師の役割です。

陰陽バランス

陰陽マーク

万物はすべて「陰」と「陽」の二つから成りたっていますが、この二つは互いに抑えあいながら、また互いに依存し協力しあってバランスを維持しています。陰と陽のどちらかが強いか弱いかでその時々のバランスを保っているのです。
例えば一日は昼(陽)から夜(陰)、夜(陰)から昼(陽)のように陰陽が変化し、さらに昼のなかでも真昼は(陽)で夕方近くは(陰)になります。それぞれが絶対的なものでなく、比較する対象により変化します。
人間の身体も同じで、昼間(陽)は人間の身体にも陽気があふれ仕事をしたり、遊んだり活動的に動けます。夜(陰)になると陽気がへり陰気が強くなるので、人間の身体もだるくなってやる気がなくなり、眠くなります。
人間はバランスのとれた状態が健康であるといいましたが、そのバランスとはこの陰陽のバランスなのです。 逆に病気とはこの陰陽のバランスがくずれた状態、陰か陽のどちらかに傾きすぎた状態をいうのです。
例えば自律神経失調症をこの陰陽に当てはめてみると、交感神経は心臓を活発に動かし、胃腸の働きを抑えます。副交感神経は心臓を休ませ、胃腸の働きを活発にします。交感神経は「陽」で昼間よく働き、副交感神経は「陰」で夜間によく働きます。このバランスがとれている時は健康です。
しかし仕事の疲れ、ストレスなどが原因で交感神経(陽)が高まりすぎると副交感神経(陰)が弱まり、陰陽バランスがくずれ、いろいろな不定愁訴が現れてきます。 この陰陽バランスを正常に戻すのが鍼灸治療なのです。

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