症例

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耳鳴 酷くなると耳がつまる

2022年5月上旬 47歳女性のケース

症状 毎年9月頃花粉で鼻水・鼻づまりがある
2020/11鼻水鼻づまりが続き、耳がボーとするので耳鼻科受診
低音性難聴といわれる 低音の耳鳴り耳閉感はステロイドで治る
2か月の間に治る→再発を4回繰り返す
メニエールと診断され、3か月間薬を服用し難聴は現在なくなり、高温の耳鳴と耳閉感が残る
2021/2~6月鍼と整体を受けよくなったので、一旦治療を中止して様子見
2021/7~9月少し耳鳴がして不安になり、別の治療院で鍼治療を受ける よくなり治療休止
2022/2月 ある夜急に耳がつまったので治療してもらい、よくなる
毎年2月はないが、今年は鼻水鼻づまりがあり、抗アレルギー剤を服用中
2022/4月から午前中仕事をした後、夜間の学校に通いだす
現在の症状は耳鳴(蝉の鳴き声 シャー キーンなどの高音)酷くなると耳閉感
耳閉感は入浴で取れたり、寝て朝になるととれる
困っていることはエレベーターに乗る時、ゆっくり昇れば大丈夫だが早いとつまる
学校の行きは詰まってもすぐとれるが、帰りは詰まったまま戻らない
地下鉄が交差するとき詰まる
2022年2月からはほぼ毎晩耳がつまる
調子がいい日は、耳鳴りは日中かすかにしているぐらい
悪化因子  曇り・雨 長座 緊張 夜
緩解因子  晴 動いているとき 入浴 運動
元々の脾肺気虚に肝陽上亢が重なり耳鳴り耳閉感を発症したと考えました
治療経過 週1回治療
2診目  今週は天気悪くても悪化しなかった 毎晩の詰まりは少しマシになるが、仕事が忙しかった日の夜は詰まる
3診目  今週4日ほど耳がつまって耳鳴りが大きかった
4診目  毎晩詰まっていたが、治療しだしてからつまらない日も出てくるようになる
以後21診目まで調子のよいときと悪いときと波がある
22診目(半年後)10→3 耳鳴り酷くなって他の音(テレビなど)と共鳴すると耳ふさぐが、そこまで酷くならずに落ち着くようになる
28診目 (8か月後)この頃から調子のよい日が続く
耳鳴はほとんど感じない 耳の詰まりも夜遅くに少し詰まるが軽い10→1~2

月2回の治療
まあまあ調子のよい状態で過ごせる
つまっても軽かったり、すぐ抜ける状態 大きく共鳴するような耳鳴りはない

月1の治療(1年後)
40診目 調子のよい日が続く 初診時エレベーターでつまっていたが、なくなる
電車が交差するとき、つまらない時もあれば、つまっても軽く、唾を飲み込めば取れるぐらいになる
耳鳴も気にならない時があったり、あっても苦痛にならない程度に落ち着いている

 

コメント 現在も月1回のペースでメンテナンスに来られています
以前は新幹線に乗ったり、高低差のある高速道路を走ると、頭が締め付けられる程耳が塞いでしまっていましたが、今は若干つまりはあるが、酷くならずに乗れるようになったそうです

耳鳴は西洋医学的にも治すのが難しい疾患の1つです
最近では難聴による音の入力不足を補うため中枢の音に対する感度が増し、それにより耳鳴りが生じると考えられています
加えて不安・うつ・ネガティブな記憶、耳鳴りに注意が集中するなどにより自律神経にも影響を及ぼし、症状が憎悪し慢性化します
耳鳴は神経システムの誤作動で複雑なのですが、恒常性に関わる鍼灸治療で耳周囲の血流改善・自律神経調整を行い改善する場合もあります(長年続く耳鳴りの改善は難しい)
治療目標として、耳鳴りによる苦痛が軽減し、気にならなくなることを目標にして治療していきます
(鳴っていても頭では感じなくなること・苦痛に感じなくなること)
※耳鳴に関してはブログの『耳鳴り・難聴・めまいの講習を受けて』もご参照ください

耳管開放症による耳閉感 自声強調 音が大きく感じる

2022年10月下旬 37歳女性のケース

症状 幼少期から大きい音が苦手  聴覚過敏
数年前主訴と同症状発現したが、耳鼻科で空気通す治療をして治る
2019年 仕事を始める9時~18時
2021年 2か月後に知り合いが脱毛サロンをopenすることになり、そこに勤務することになる
そのため今している仕事が終わった後、20時から2~3時間毎日練習に通う(1か月半)
2021年11月open近づきプレッシャー openしてからは初めてのお客さんばかりの接客で緊張が続く
休日なく働いていた
2021年4月 だいぶ慣れてきた頃に朝起きたら耳が塞がっていた
最初は起き上がれなかった 今は最初の頃より良くなる
耳鼻科4件回る 1件目は左低音性難聴と診断され薬の処方 2件目3件目は診断なく薬だけ処方される
2022年9月 4件目はしっかり検査してもらい 左低音性難聴 右耳管開放症と診断 加味帰脾湯 メチコバラミン アデホスコーワを処方される つまり方は軽くなっている
現在の症状は両耳耳閉感 ドラム缶をかぶっている感じ 音が反響する 症状が強くなると音が大きく感じ、自声強調、脈の音が聞える、頭がボーンとする
増悪因子 体の疲れ 睡眠不足 月経前初日
緩解因子 入浴後 寝起き
食事は1日1回 20時~21時頃
性格は神経質・潔癖症(本人曰く)
睡眠は8時間ぐらい
飲食不摂と元々の神経質な性格から心脾両虚傾向があったところに、過度のストレス・疲労・睡眠不足が加わり、腎精や肝血を消耗し、耳を養えず耳閉感が発症したと考えました
気血両虚とし補気養血を目的に治療しました
出来たら3食、難しいならもう1食とるように(タンパク質中心に)患者さんにも生活を改善してもらいました
治療経過 週1回治療
2診目  翌日から耳閉感軽くなり(10→3)気にならない時もある 聴覚過敏も無くなる
仕事は20時頃まで仕事する日もあるが、なるべく18時ごろには終わるようにしている 
3診目  以前は夕方につまり酷かったが、今は1日のうちで右または左が数十分つまっている(つまり方は軽い)
昨日雨でつまりが酷かった
4診目  数日前から裏の家の工事音がうるさくボーンと耳が詰まる 3日前風邪をひき、旅行も重なる
標高の高いところへ行き、一瞬聞こえなくなる
鼻水・鼻づまりがあり右耳の詰まりが特にひどい
一日のうち右か左どちらかが詰まっている 両耳詰まっていない時間もある
5診目  数日前標高の高いところへ行き耳詰まる 1日大雨の日は詰まっていた
2日間は調子よかった 月経がはじまり詰まる
6診目  月経終わり調子よい つまりはほとんどない
7診目  1日ポーンと詰まるが翌日とれる
8診目  調子よかったが、月経3日目から頭がボーンとする 耳がふさぐというより首肩コリでボーンとしている感じ
9診目  年末の仕事が終わったら急に耳がふさいで耳鳴り、自声強調ひどくなる 
10日に1回治療
10診目  前回治療後調子よく気にならなかった 昨日カン高い、声の大きい女性の施術を1時間付きっ切りでしたので、そこから耳おかしい
11診目  前回治療後からよくなる  数日前外食したときお店がすごくうるさく、翌日から耳が過敏 ポーンとしている感じ 耳鳴りはない
12診目  前回後すぐ風邪をひき、耳がポーンとしているのが続いた 3日ぐらい前から↓
13診目  前回後調子よくなり、ほとんど耳気にならない
17診目まで調子よい状態が続く

コメント 2023年5月ごろからは緊張や疲れた後に耳が詰まったとき、治療に来られます
治療すると翌日から詰まりがなくなり、調子が良くなるようです
現在は月1か2ぐらいでメンテナンスに来られています

メニエール めまい 耳閉感

42歳女性 初診2021年5月中旬 

症状 4月下旬風邪をひき喉痛・右耳聞こえなくなる・軽いめまい・鼻水・鼻づまり
風邪をひいた翌日ご主人と大喧嘩した
風邪が治っても右耳のつまり、めまい治らずここ3日間はフワフワして立っているのがつらい
耳鼻科受診しメニエールと診断される 聴力は異常なし
右耳つまって膜が張っている感じ 時々キーンと耳鳴り
頭の中がフワフワし寝転がるとカーとのぼせる感じで眠れない
目の焦点が合わない 味も感じにくい(塩味が感じにくい)

悪化;雨天 起床後昼過ぎごろまで 頭を動かす 横になる
緩解;朝起床時 夕方から 人と話しているとき 入浴 飲酒

淡紅舌 舌根~舌中部白膩苔 舌先部紅 短脈で数 右季肋部~脇腹にかけ緊張 

風邪による風火とご主人と喧嘩したことで起こった肝陽化風があわさり元々あった水湿の邪をおしあげ耳を塞ぎめまいを引き起こしたと考えました。 清火熄風・平肝潜陽・健脾除湿を目的に治療しました。

治療経過 2診目 耳の詰まり10→1
味覚も戻ってきているフワフワの回数が減り、横になるとのぼせる感じはまだあるが、以前より眠れている

3診目 フワフワの回数・強さ減る10→2 
昨日は雨天だったが調子よかった
月経痛がいつも強いが鍼の副効果か今回は月経痛がない

コメント 耳鼻科でステロイドを1週間服用しその後ビタミン剤やめまい止めを服用していてもなかなか改善しなかったのですが、鍼灸治療がよく効いた症例です
症状が良くなると同時に舌の分厚い苔も取れてきました
身体にたまった水湿の邪が取れ、上に上っていた気が全体に回るようになった証拠です
まだ横になるとのぼせる感じは残っているので今後治療し上に上った気を引き下げることでその症状も改善されると思います。

耳管開放症

37歳女性 初診2019年7月末 

症状 3か月前から特に原因もなく左耳が聞こえづらい日があった。1週間前から毎日1日中何かが被さっているようで聞こえ辛い。自分の声が響く。入浴すると治ることがある。
4年前の妊娠中も左耳の浮腫み・聞こえづらさがあった。その時は漢方を服用して治る。

随伴症状;足の浮腫み 仕事で長時間立っているためふくらはぎを擦るだけで痛い。
寝る時に着圧靴下を履かないとだるくて目覚める。雨天・雨天前悪化 入浴で緩解
胃腸症状あり 小便の回数が少ない おりものが多い 顔がほてる・のぼせる

淡紅舌 舌根部白膩苔 短脈で虚 

飲食不摂から胃腸機能が低下し湿痰が発生、その湿痰が耳塞いだと考え化痰利湿を目的に治療しました。

治療経過 1診目 治療後脈力がでて舌苔が減る
3診目 夕方に耳がポーンとすることがあるが、耳閉感10→2ぐらいに減る
    月経前足の浮腫み酷い
4診目 1日5回ぐらい 30分前後耳がふさがる  

5診目 週1回 30分前後ふさがる

6診目 時々耳閉感あるも気にならない程度だった。先週風邪をひき耳閉感が1日中続くようになる
    足の浮腫みは月経前も気にならなかった。淡紅舌薄白苔
7診目~10診目 調子の良い時と塞がる時と半々ぐらい 足の浮腫みは気にならなくなる

11診目 少し耳閉感あるがだいぶよくなる

12診目 2週間の間に1回あったぐらい

コメント 風邪をひき途中で悪化してしまいましたが、治療している間に白膩苔が薄白苔に変化し、足の浮腫みも改善していることから体に留まっていたいた湿痰がとれていったことがわかります。
加えて第2頸椎の歪みもあり、左首肩にかけ緊張が強かったので緊張を緩めて耳への血流を改善したこと、姿勢を指導させてさせてもらい患者様自身も気を付けてくださったことで治療効果が上がったのだと思います。 

副鼻腔炎

症状・経過 4月中旬に子供の風邪がうつり副鼻腔炎になった患者さん。抗生剤を服用するも、額・眉間・鼻の周囲の重さ、鼻づまり、黄緑色の鼻水痰、咳がでるとのこと。沈数脈で白膩苔、舌先紅 腹診で脾肺部分に冷え(気血の滞りを表す)胃経に熱がこもっているので、胃経の熱とりの治療をしました。治療後は鼻が通り、重さが少し楽になったとのこと。翌日も来院してもらうと、咳は減るが重さが取れないとのこと。同じ治療をし、治療後は舌先の赤みが減り(熱が取れたことを表す)重みが少し楽になりました。1週間後に来院してもらうと一旦良くなったものの3日前から咳、昨日から眉間・鼻周囲の重さがあるとのこと。湿熱をとる治療をすると、治療後は重さがなくなりました。その数日後メールにて、重さがなくなり調子よいとのご報告がありました。長引くスッキリしない副鼻腔炎症状も鍼治療をすると早く良くなります。

風邪による扁桃腺炎

症状・経過 三寒四温のこの時期なかなか体温調節がうまくいかず風邪をひかれる患者さんも多いです。
昨日風邪で喉が痛いという患者さんが来院されました。
この方は3月上旬に脂っこいものを食べてからお腹がすかなく胃もたれが続いていました。
お薬を飲み始めて少し良くなってきた矢先に子供の風邪をもらったそうです。
脈は滑数、舌は紅舌灰微黄膩苔、心下部は張っていて少し自汗がありました。
暴飲暴食で胃腸に熱がこもり、胃腸の働きが低下して全身に栄養が回らず抵抗力が下がり
風熱の邪が侵入したのだと考え疏風清熱・消腫を目的に治療しました。
今日来院してもらうと昨晩はぐっすり眠れ喉の痛みがだいぶ楽になったとのこと。
昨日より舌苔が薄くなって、喉の腫れ感も無くなっていました。
風邪も初期に治療するとこじらせずに早期に治ります。

副鼻腔炎

症状・経過 この季節の変わり目で風邪をひく患者さんは多いですが、
風邪をこじらせて副鼻腔炎になることも珍しくないです。
先日みえた患者さんも風邪をこじらせ副鼻腔炎になって来院されました。
鼻水が喉に降り、眉間や目の下、側頭部が重痛いと訴えます。上の方にこもっている熱をとり陽明経を治療すると
帰るころには少しすっきりしました。
3日後に来院してもらうと、服薬せずに良くなっていったそうです。
タイムリーに治療でき、良い効果がでたので喜ばれていました。

咽頭炎

症状・経過 急に涼しくなり、風邪をひいたり体調を崩す患者さんが多いですが先日ひどい咽頭炎になった患者さんが、治療をしてだいぶ楽になったと喜んでくださいました。
5日前から喉が痛くてまったく眠れず、痛みで震えるほどだったようです。食べるのも辛く喉の閉塞感あり。
薬は効かず、見た目からも喉が腫れているのがわかります。清熱消腫止痛を目的に鍼をし、指先のツボから刺絡(少し血を出す)をしました。
刺絡は炎症をひかせてくれるので、喉につながる指先のツボから刺絡をすることで早く炎症をひかせ、腫れが引きます。
治療をした日の夕方から痛みが半減以下になり、よく眠れたそうです。
翌々日まで少し痛みはあったが、ひどくはなく4日目には治ったそうです。
このように炎症性疾患にも鍼治療はとても効果があります。