症例

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鍼灸治療が初めての方は、自分の症状はどれぐらいの頻度で、どの位の期間通えばいいのか知りたいと思います。
その方により体質、病歴、病の程度が違いますので、実際に診察してみないと何とも言えませんが、一般的には病にかかった期間が長かったり、病状が重ければそれだけ治療期間もかかり、病状が軽かったり、病に罹ってから日が浅ければ、治療期間は短くなります。

通院頻度としては、1回目の治療作用が消えないうちに2回目の治療をしたほうが効果が高まりますので、最初のうちは週に2~3回、症状が緩和してきたら週1回、10日に1回というように間隔をあけていくのをお勧めします。

長期にわたる疾患の場合、数回治療しないと変化が表れないことがありますが、その間に一番つらい症状だけでなく、その他の気になる症状が緩和されるなど、何らかの良い効果が期待でき、体が快方へ向かっているのを感じられると思います。

鍼灸治療を継続するなかで、もし不安な事や、心配事、疑問がありましたら、いつでもお気軽にお話ください。
多くの症例のうち一部を載せましたが、例え同じ病名でもその方の症状の程度や生活環境、食生活、仕事の状況などにより、治り方や治るまでの時間が違いますので、それをご理解のうえ、参考にしていただければ幸いです。

体外受精を休止してから自然妊娠にいたった不妊の症例

30歳女性 初診2022年3月下旬

症状 2017年結婚
2019年から妊活はじめ、タイミングを半年とるが授からず、浅田レディースクリニックにてタイミング3~4回→人工授精1回→体外受精へ進む
基礎検査は問題ないが、多嚢胞性卵巣症候群がある
2020年4月採卵し38個とれそのうち28個胚盤胞になる
グレードのかなり良い胚盤胞を4回移植したが着床せず、1回グレードのよい卵を2つ同時に移植したが着床しなかった
5回移植して着床しなかった時、ドクターから原因不明といわれ、採卵と移植を繰り返すしかないと言われる
現在治療を休んでいる

大学生から月経痛が酷くピルを服用 ピルを飲んでも月経痛はあるので、初日と2日目に鎮痛剤服用
ピルをやめて33~47日周期(40日過ぎることが多い)BBTガタガタで二層になっていない
仕事を始めてから人間関係でうつ病になり、漢方薬と睡眠導入剤服用中
気分の上がり下がりが激しく、コントロールできない

心肝気鬱(気逆傾向あり)として疎肝理気 滋陰寧心を目的に治療しました

自宅でもお灸をしてもらうよう、お灸指導をさせてもらいました
グレードのよい胚盤胞を5回移植しても着床しなかったので、子宮内膜に問題があるか着床不全があるかもしれないので、不育症専門外来を紹介させてもらいました

治療経過 週1治療
3診目 37周期で月経が来る  月経前のイライラ落ち込みがなかった 月経痛もなく服薬せずに済む
仕事が忙しく残業多い
6診目 仕事が忙しくストレスが多かったので、5日前から不正出血がある 【不正出血に対応して治療行う】
7診目 前回治療2日後に不正出血止まる
8診目 20日周期で月経が来る ずっと残業が続き誘眠剤を飲んでも眠れない日がある  【気を流して心を安定させる治療を行う】
11診目 24日周期で月経が来る  不育症専門外来を受診し血液検査を今後する予定
5回移植して着床しないなら子宮の問題が9割とドクターに言われる
12診目 2週間夏バテと残業重なり疲れ 月経が10日間あった 【胃腸を整え気を補う治療を行う】
13診目 不正出血が1週間続いた 精神的に落ち込む出来事があったことや疲れで気分が沈む
14診目 31日周期で月経が来る
19診目 31日周期 高温期短めだが、BBT二層になっている 月経前症状なし
不育症専門外来での検査の結果が出る  甲状腺ホルモンの値が正常範囲内ではあるが、妊活中だと少し低めになること、プロラクチンの値が高いことを指摘される
心理テストではストレス度がMaxと判定 向精神薬も服用したほうがいいかもということ
カバサールとチラージンを少なくとも2~3か月服薬してから移植したほうがいいと言われる
23診目 29日周期で月経が来る
26診目 高温期が21日続いたので自己検査したら陽性だった
27診目 心拍確認 
その後も体調管理のため臨月に入るまで週1で治療
2023年5月末に 母子共無事に出産されました
おめでとうございます

コメント  
体外受精でグレードのよい胚盤胞を5回戻しても授からなかったが、治療を始めて6~7か月で自然妊娠した症例です

気分障害が酷く、初診時は体も過度に緊張しているツボや、力のないツボが入り交じり、あまりよくない状態でしたが、患者様が心の不安や悩みを術者に打ち明けてくださり、コミュニケーションがうまく取れたこと
施術するごとに体が良い方向へ回復していったこと
専門病院で詳しく調べてもらい、治療を受けることで安心したこと
それらの相乗効果で妊娠出産できたのだと思います
よく頑張られたなと思います 周りの人にたくさん頼って育児してくださいね
おめでとうございます


耳鳴 酷くなると耳がつまる

2022年5月上旬 47歳女性のケース

症状 毎年9月頃花粉で鼻水・鼻づまりがある
2020/11鼻水鼻づまりが続き、耳がボーとするので耳鼻科受診
低音性難聴といわれる 低音の耳鳴り耳閉感はステロイドで治る
2か月の間に治る→再発を4回繰り返す
メニエールと診断され、3か月間薬を服用し難聴は現在なくなり、高温の耳鳴と耳閉感が残る
2021/2~6月鍼と整体を受けよくなったので、一旦治療を中止して様子見
2021/7~9月少し耳鳴がして不安になり、別の治療院で鍼治療を受ける よくなり治療休止
2022/2月 ある夜急に耳がつまったので治療してもらい、よくなる
毎年2月はないが、今年は鼻水鼻づまりがあり、抗アレルギー剤を服用中
2022/4月から午前中仕事をした後、夜間の学校に通いだす
現在の症状は耳鳴(蝉の鳴き声 シャー キーンなどの高音)酷くなると耳閉感
耳閉感は入浴で取れたり、寝て朝になるととれる
困っていることはエレベーターに乗る時、ゆっくり昇れば大丈夫だが早いとつまる
学校の行きは詰まってもすぐとれるが、帰りは詰まったまま戻らない
地下鉄が交差するとき詰まる
2022年2月からはほぼ毎晩耳がつまる
調子がいい日は、耳鳴りは日中かすかにしているぐらい
悪化因子  曇り・雨 長座 緊張 夜
緩解因子  晴 動いているとき 入浴 運動
元々の脾肺気虚に肝陽上亢が重なり耳鳴り耳閉感を発症したと考えました
治療経過 週1回治療
2診目  今週は天気悪くても悪化しなかった 毎晩の詰まりは少しマシになるが、仕事が忙しかった日の夜は詰まる
3診目  今週4日ほど耳がつまって耳鳴りが大きかった
4診目  毎晩詰まっていたが、治療しだしてからつまらない日も出てくるようになる
以後21診目まで調子のよいときと悪いときと波がある
22診目(半年後)10→3 耳鳴り酷くなって他の音(テレビなど)と共鳴すると耳ふさぐが、そこまで酷くならずに落ち着くようになる
28診目 (8か月後)この頃から調子のよい日が続く
耳鳴はほとんど感じない 耳の詰まりも夜遅くに少し詰まるが軽い10→1~2

月2回の治療
まあまあ調子のよい状態で過ごせる
つまっても軽かったり、すぐ抜ける状態 大きく共鳴するような耳鳴りはない

月1の治療(1年後)
40診目 調子のよい日が続く 初診時エレベーターでつまっていたが、なくなる
電車が交差するとき、つまらない時もあれば、つまっても軽く、唾を飲み込めば取れるぐらいになる
耳鳴も気にならない時があったり、あっても苦痛にならない程度に落ち着いている

 

コメント 現在も月1回のペースでメンテナンスに来られています
以前は新幹線に乗ったり、高低差のある高速道路を走ると、頭が締め付けられる程耳が塞いでしまっていましたが、今は若干つまりはあるが、酷くならずに乗れるようになったそうです

耳鳴は西洋医学的にも治すのが難しい疾患の1つです
最近では難聴による音の入力不足を補うため中枢の音に対する感度が増し、それにより耳鳴りが生じると考えられています
加えて不安・うつ・ネガティブな記憶、耳鳴りに注意が集中するなどにより自律神経にも影響を及ぼし、症状が憎悪し慢性化します
耳鳴は神経システムの誤作動で複雑なのですが、恒常性に関わる鍼灸治療で耳周囲の血流改善・自律神経調整を行い改善する場合もあります(長年続く耳鳴りの改善は難しい)
治療目標として、耳鳴りによる苦痛が軽減し、気にならなくなることを目標にして治療していきます
(鳴っていても頭では感じなくなること・苦痛に感じなくなること)
※耳鳴に関してはブログの『耳鳴り・難聴・めまいの講習を受けて』もご参照ください


耳管開放症による耳閉感 自声強調 音が大きく感じる

2022年10月下旬 37歳女性のケース

症状 幼少期から大きい音が苦手  聴覚過敏
数年前主訴と同症状発現したが、耳鼻科で空気通す治療をして治る
2019年 仕事を始める9時~18時
2021年 2か月後に知り合いが脱毛サロンをopenすることになり、そこに勤務することになる
そのため今している仕事が終わった後、20時から2~3時間毎日練習に通う(1か月半)
2021年11月open近づきプレッシャー openしてからは初めてのお客さんばかりの接客で緊張が続く
休日なく働いていた
2021年4月 だいぶ慣れてきた頃に朝起きたら耳が塞がっていた
最初は起き上がれなかった 今は最初の頃より良くなる
耳鼻科4件回る 1件目は左低音性難聴と診断され薬の処方 2件目3件目は診断なく薬だけ処方される
2022年9月 4件目はしっかり検査してもらい 左低音性難聴 右耳管開放症と診断 加味帰脾湯 メチコバラミン アデホスコーワを処方される つまり方は軽くなっている
現在の症状は両耳耳閉感 ドラム缶をかぶっている感じ 音が反響する 症状が強くなると音が大きく感じ、自声強調、脈の音が聞える、頭がボーンとする
増悪因子 体の疲れ 睡眠不足 月経前初日
緩解因子 入浴後 寝起き
食事は1日1回 20時~21時頃
性格は神経質・潔癖症(本人曰く)
睡眠は8時間ぐらい
飲食不摂と元々の神経質な性格から心脾両虚傾向があったところに、過度のストレス・疲労・睡眠不足が加わり、腎精や肝血を消耗し、耳を養えず耳閉感が発症したと考えました
気血両虚とし補気養血を目的に治療しました
出来たら3食、難しいならもう1食とるように(タンパク質中心に)患者さんにも生活を改善してもらいました
治療経過 週1回治療
2診目  翌日から耳閉感軽くなり(10→3)気にならない時もある 聴覚過敏も無くなる
仕事は20時頃まで仕事する日もあるが、なるべく18時ごろには終わるようにしている 
3診目  以前は夕方につまり酷かったが、今は1日のうちで右または左が数十分つまっている(つまり方は軽い)
昨日雨でつまりが酷かった
4診目  数日前から裏の家の工事音がうるさくボーンと耳が詰まる 3日前風邪をひき、旅行も重なる
標高の高いところへ行き、一瞬聞こえなくなる
鼻水・鼻づまりがあり右耳の詰まりが特にひどい
一日のうち右か左どちらかが詰まっている 両耳詰まっていない時間もある
5診目  数日前標高の高いところへ行き耳詰まる 1日大雨の日は詰まっていた
2日間は調子よかった 月経がはじまり詰まる
6診目  月経終わり調子よい つまりはほとんどない
7診目  1日ポーンと詰まるが翌日とれる
8診目  調子よかったが、月経3日目から頭がボーンとする 耳がふさぐというより首肩コリでボーンとしている感じ
9診目  年末の仕事が終わったら急に耳がふさいで耳鳴り、自声強調ひどくなる 
10日に1回治療
10診目  前回治療後調子よく気にならなかった 昨日カン高い、声の大きい女性の施術を1時間付きっ切りでしたので、そこから耳おかしい
11診目  前回治療後からよくなる  数日前外食したときお店がすごくうるさく、翌日から耳が過敏 ポーンとしている感じ 耳鳴りはない
12診目  前回後すぐ風邪をひき、耳がポーンとしているのが続いた 3日ぐらい前から↓
13診目  前回後調子よくなり、ほとんど耳気にならない
17診目まで調子よい状態が続く

コメント 2023年5月ごろからは緊張や疲れた後に耳が詰まったとき、治療に来られます
治療すると翌日から詰まりがなくなり、調子が良くなるようです
現在は月1か2ぐらいでメンテナンスに来られています

入眠困難

2023年8月上旬 33歳女性のケース

症状 7月末に大好きなアーテイストのライブがあった
楽しみと緊張感でライブ前から眠りにつきにくくなり、終わった後も思い出して高揚し涙が出てくる
日中も体が緊張している感じがする(ドキドキする)
就寝2時頃 仕事がある日は4~5時間しか眠れない
眠れなかった翌日も眠れない

治療経過 肝気が高ぶり心にも影響していると考え、上った肝気を引き下げるツボを使用し治療しました

2診目 前回治療後眠くなり12時前に眠れる 気持ちもだいぶ落ち着く
最近はAM1時ごろ就寝   30分ぐらいで眠れる

3診目 睡眠もとれ、気持ちも落ち着いている

コメント 一時的におこった感情の高ぶりで眠りづらくなった症例です
鍼灸治療は疼痛疾患だけでなく自律神経を整え、気持ちをリラックスさせる効果もあります

妊娠中にひいた風邪による長引く咳

2023年7月上旬 31歳女性のケース

症状 1か月前に子供がかぜをひき、それがうつる
最初の3日間は黄緑色の痰が多量に出てその後、咳が出だすようになる
病院で咳止め・吸入を処方してもらうが不変
この2週間咳き込んで眠れない 1時間ごとに目覚める トータル4時間ぐらいしか眠れていない
現在37週 愛知医大で精密検査したが何も悪くなく、ホルモンバランス・自律神経の乱れでしょうと言われる
計画分娩で9日後に入院予定だが、つらいので早めてもらおうか検討中
風邪をひいた頃出産の不安感や心配事があった
朝<夜 就寝中が特にひどい 夜考え事をするからかも

治療経過 風熱を感受→→妊娠中は元々陰血が不足気味(虚火発生)なのと心配事が重なり(肝鬱化火)→→肺津消耗→→肺の宣発粛降阻害→→咳

益腎補肺 宣肺止咳 じょ肝解鬱を目的に治療しました

治療中少し眠れ体や呼吸が楽になる 咳少し↓

2診目(4日後) だいぶ咳が減り楽になる 夜中トイレに起きるが咳で眠れないということはない
計画通り5日後に計画分娩のため入院する
  

コメント 出産への恐怖心・不安・心配が強かったのですが、初診でコミュニケーションがとれ、たくさんお話ししてくださったことや、上に上った気を引き下ろす治療が功を奏し、咳が激減しました
患者様もこの2週間は何だったのか、もっと早くこればよかったと喜んでくださいました
体力温存することで、大変な出産に向け体調を整えることが出来た1例です


左上肢痙攣ひきつり

2023年7月上旬 11歳男の子のケース

症状 8歳から毎年12月~1月頃風邪又は下痢をきっかけにまばたき、口を開けるなどのチック症状が出る
毎回1か月ほどで症状出なくなる
2023年1月コロナにかかり右腕痙攣引きつりがでる
2週間後にピアノのコンテストがあり、腕は震えていたが弾いた
それも1か月ほどでなくなる
今回は10日ほど前に学校のプールの授業後エアコンの風にあたり夜下痢をする
下痢が2~3日続き、1週間前から左腕痙攣引きつりが出る
四六時中痙攣しているので左肩左上肢が痛い 
風邪症状はない 普段排便は3~4日に1回 下痢が2~3日続いた後は排便ない
冷飲食して毎回下痢をするわけではない
病院ではチック症状といわれる 今回初めて夏に症状が出た
治療経過 外寒の邪→→→寒の吸引性から陽気がうっ滞→→→気血不通がおこり筋脈の柔軟性阻害→→→痙攣
               ↑
               ↑
               ↑
中焦虚寒で土が木を養えない→肝陽不足・陰寒内生
小児はりで治療
2診目 徐々に良くなり頻度・程度↓ 2~3日下痢その後は普通便
3診目 震えはあったが頻度・程度↓ 昨日夕飯食べ過ぎた 以後震え強くなる
胃腸を温めるようお灸も加える
やり方や場所をお伝えして自宅でも毎日施灸してもらう
4診目 ほぼ症状無くなる
  

コメント 調子が良くなったので、一旦治療を中止して様子をみてもらうことにしました
自宅でのお灸はもう1週間続けるよう指導させてもらいました
初回はかなり痙攣と引きつりが強く、これが1日中続けば痛いよなという印象でした
寒邪が原因なのでお灸も加えて効果が上がったのだと思います

食欲がない 食べられない 胃もたれ 食後気持ちが悪い

2023年4月上旬 34歳女性のケース

症状 去年たくさん嫌なことが起こったが、今年の2月末から特にストレスのかかることがあった
嫌なことがあると胃にきやすく、気持ち悪さや胃痛があるがいつも1か月ぐらいで治る
今回はなかなか治らないので受診した
タケキャブ 半夏厚朴湯服用しているが不変
一昨年胃カメラをしたときは、逆流性食道炎とポリープがあると指摘された
お腹はすくので食べるが、1口食べるといらないと思う
いらないが食べると、気持ち悪くなったりキリキリ痛む
関上弦脈 脈力なし 淡江舌 薄白苔 紅点 みぞおちを押すと痛む
治療経過 肝気犯胃として疎肝和胃を目標に治療しました
2診目 前回後全体的に良くなっている 
    食後の気持ち悪さはあるが、以前よりマシ 
    吐き気がなくなる
    脈力脈幅あり みぞおちの圧痛がなくなる
3診目 波はあるが調子のよい日が増えてきた
    悪い日は食べたくないし胃痛ある 
    2日間は食べられ、食後の症状もなかった
4診目 調子いい 食べられるし胃もたれなどの症状もない
5診目 ゴールデンウィークで忙しくストレスもかかったが、胃の調子は良い 

コメント 調子が良くなったので、一旦治療を中止して様子をみてもらうことにしました
体表観察で初診時、脾兪胃兪の虚(ツボがベこべこして力がない)が酷かったですが、お灸をたくさんすえることで
虚が改善され(べこべこがなくなり、皮膚に張りが出る)それに伴い症状も改善されていきました
患者さんが施術時にストレスに思っていることを素直にたくさん話してくれたことも良かったのかなと思います

帯状疱疹後神経痛

2023年3月上旬 59歳女性のケース

症状 1月末仕事が忙しく、夜中遅くまでしたり徹夜が続いた
2月上旬胸にポツポツ2~3個湿疹ができたので皮膚科受診 抗ウイルス剤とステロイドの塗り薬を処方される
受診したその日から紅湿疹がたくさん出だした 水泡はなし
鋭いピリピリで眠れなかった
現在メチコバールとノイロトロピン服用中 ヒルドイドとスタデルムクリームを塗っている
3日前ペインクリニックにて上部頸椎のウイルスが原因と言われ、星状神経節ブロックしたが不変
タリーゼ服用したが頭がもうろうとするだけで痛み不変
現在後頚部から首の前にかけて帯状に赤みが残っており、鎖骨周辺に広範囲に赤みが酷い
鈍いビリビリした痛みがある
就寝後2~3時間で目覚め、以後朝まで何度か痛みで目が覚める
寝返りで寝具が触れると痛い かゆいところを触ると痛い
過労・寝不足で免疫が弱った「虚」の状態に家庭や仕事のストレス「肝鬱熱」が重なり発症したと考え、
赤みの場所からデルマトームでみると第3頸椎・第4頸椎が問題だろうと推測しました

治療経過 頸椎の問題部位と赤みが強いので「去熱」、痛みで不眠があるので「精神安定」
を意識して治療しました
5日後に来院
翌朝痛みはなっかたが、また痛み戻る 昨晩は初めて朝4時まで眠れ、その後またすぐに眠れた
肩上がいたかゆい 首と胸は痛み無くなる
初回胸の赤みがきつかったが、かなり赤みが落ち着く
3日後に来院
鍼の瞑眩反応(どーんとしただるさ)が2~3日続きつらい 肩上が痛かったが今日は痛くない
4時間ぐらい眠り目覚めるが、また眠れる
とても敏感な体質なので、鍼の太さを細いものに変えて、弱刺激になるよう注意して治療しました
3日後に来院
前回は瞑眩反応なかった
昨日一昨日は胸・頸のあたりがヒリヒリ痛かった 肩上は痛くない
全体の赤みがひいたので、一番悪い部分(第3第4頸椎からの神経分布)の赤みが良く観察される
とても敏感なので、頸椎の問題部位と精神安定穴、疎肝理気を意識して治療しました
10日後体調が良くなり元気に過ごせているとの報告を頂き、しばらく様子見ということで治療を終了しました

コメント 帯状疱疹は水痘の既往のある人体にウイルスがひそんでいて過労、老化、病気で免疫力が弱った時に発病します。

末梢神経痛(皮膚にチクチク痛みがあったり、違和感がある)が先におこり2~3日後に水泡が出てきます。水泡が出ると痒みを伴った痛みを生じます。
水泡は1週間ぐらいで膿疱化し10日ぐらいで結痂し治ります。ひどい場合水泡が化膿して治るまでに1か月以上かかることもあります。

この患者さんはとても繊細な体質でしたので、刺激量に注意しながら治療させて頂きましたが
比較的早期に痛みが軽減した1例です
帯状疱疹は元気溌剌とした若者はあまりかからず、基礎疾患のあるかたや高齢者、50代を過ぎ、過労寝不足などで免疫が弱ったときに発症しやすいです
体力をつけるように運動したり、過労寝不足にならないよう留意することが大事です


不妊

46歳女性 初診2021年4月中旬

症状 2006年結婚
40歳前から子供がほしいとおもうようになる
2020年9月不妊専門病院受診
子宮筋腫5センチ大が1つ、大小合わせて39個あった
2020年12月開腹オペ 6か月妊娠しないようにしなければいけない
子宮が筋腫のせいで大きくなり、まだ元に戻っていない
月経痛はなかったが、1時間に1回ナプキンを変えなければいけないほど量が多い日もあった
貧血はオペ後回復
年齢的にすぐ体外受精を始め、2020年1月採卵1個 2月0個 3月1個 4月1個 計3個
6月までは採卵のみ
仕事の関係上1日中PCの前に座って作業 性格はせっかちで月経前は特にイライラしやすい
疎肝理気 活血化オを目的に体質改善と、月経周期に合わせて周期療法をしました

治療経過 4月末の検診でオペ後の経過がいいので、移植OKとなる
5月亜鉛ビタミンDヘモグロビンなど検査 ヘモグロビン12あるがフェリチンが7と低いので鉄剤服用する
6月鍼治療7診目後初の採卵で7個とれる 結局3日目8分割 1個だけ凍結(今までで一番グレードがいい)
7月鍼治療開始前にとった2番目にグレードのいい卵移植→陰性
8月鍼治療開始前にとった卵移植→陰性
8月子宮腺筋症があると診断される
9月採卵1個 初期胚を採卵周期に戻す→陰性 ヘモグロビン13 フェリチン8
10月タイミング→陰性
11月採卵1個 初期胚を採卵周期に戻す→陰性
1月鍼治療開始前にとった卵移植 →陰性
3月最後の卵(6月に採卵した一番グレードのいい卵)移植→陽性
4月胎嚢確認
コメント  鍼治療を1か月半行い46歳直前(45歳)に採卵した卵で妊娠した1例です
47歳になる少し前の妊娠(46歳)で病院の先生も驚いていたそうです
高齢で初産ですので、無事出産まで経過できることを祈っています


咳喘息

46歳女性 初診2022年4月上旬 

症状 2019年ストレスから咳喘息を発症 ステロイド吸入や咳止めは効果なく、半年ほどで自然と治癒
以降仕事で疲れた日の夜は咳が出る。
今回はコロナの3回目予防接種を受けた人と会った日から喉痛・鼻水・咳・微熱・関節痛を発症。
微熱は1日で下がるが咳き込みが酷すぎて1週間眠れていない。
鼻水 黄色い痰が絡む 朝<夜 寝入りや夜中酷い 出だすと止まらない 体はだるい 食欲↓ 
仕事後や夜、疲れで咳悪化する。
毎晩晩酌し水分もたくさん取るということから肺に湿熱が上蒸し咳が出ていると考え、
清熱化痰・燥湿止咳を目的に治療しました。
初診時は問診時から絶えず咳き込んでいました。
治療経過 1日おきに治療
2診目 治療翌日体が楽になり、痰切れがよくなる

3診目 鼻水・痰は減っている 仕事が忙しかったので、疲れて夜咳き込み酷かった
治療中の咳は減っている

4診目 前回の治療後からだいぶ咳が減り、眠れるようになる 咳はあるが咳き込みはなくなる
治療中の咳数回

5診目 日中はだいぶ咳が減る 寝入りに咳がでる 夜中は咳なく眠れている
治療中咳なし

6診目 調子よい 時々咳は出るが短い 痰がらみ(ー)鼻水(ー)体のだるさなく通常通り動ける
寝入りの咳減り、眠りも深くなる

コメント 咳は体力を消耗し、食欲もなくなるので長引くと痩せて気力体力とも減少してきます。
夜眠れないのが一番よくないので、夜眠れることを第一目標に治療しました。
夜眠れるようになると免疫系が賦活され、どんどん回復していきます。
今のご時世(コロナ渦)ですと、咳は嫌がられるので仕事にも支障をきたします。
咳喘息の場合、あまり薬が効かないようでこの患者様も服薬しておられませんでした。
前回は半年も酷い咳き込みを我慢していたようなので
今回鍼治療を数回受けて10日ほどで改善したので、とても喜ばれていました。