30歳女性 初診2022年3月下旬
症状 | 2017年結婚 2019年から妊活はじめ、タイミングを半年とるが授からず、浅田レディースクリニックにてタイミング3~4回→人工授精1回→体外受精へ進む 基礎検査は問題ないが、多嚢胞性卵巣症候群がある 2020年4月採卵し38個とれそのうち28個胚盤胞になる グレードのかなり良い胚盤胞を4回移植したが着床せず、1回グレードのよい卵を2つ同時に移植したが着床しなかった 5回移植して着床しなかった時、ドクターから原因不明といわれ、採卵と移植を繰り返すしかないと言われる 現在治療を休んでいる 大学生から月経痛が酷くピルを服用 ピルを飲んでも月経痛はあるので、初日と2日目に鎮痛剤服用 心肝気鬱(気逆傾向あり)として疎肝理気 滋陰寧心を目的に治療しました 自宅でもお灸をしてもらうよう、お灸指導をさせてもらいました |
---|---|
治療経過 |
週1治療 3診目 37周期で月経が来る 月経前のイライラ落ち込みがなかった 月経痛もなく服薬せずに済む 仕事が忙しく残業多い 6診目 仕事が忙しくストレスが多かったので、5日前から不正出血がある 【不正出血に対応して治療行う】 7診目 前回治療2日後に不正出血止まる 8診目 20日周期で月経が来る ずっと残業が続き誘眠剤を飲んでも眠れない日がある 【気を流して心を安定させる治療を行う】 11診目 24日周期で月経が来る 不育症専門外来を受診し血液検査を今後する予定 5回移植して着床しないなら子宮の問題が9割とドクターに言われる 12診目 2週間夏バテと残業重なり疲れ 月経が10日間あった 【胃腸を整え気を補う治療を行う】 13診目 不正出血が1週間続いた 精神的に落ち込む出来事があったことや疲れで気分が沈む 14診目 31日周期で月経が来る 19診目 31日周期 高温期短めだが、BBT二層になっている 月経前症状なし 不育症専門外来での検査の結果が出る 甲状腺ホルモンの値が正常範囲内ではあるが、妊活中だと少し低めになること、プロラクチンの値が高いことを指摘される 心理テストではストレス度がMaxと判定 向精神薬も服用したほうがいいかもということ カバサールとチラージンを少なくとも2~3か月服薬してから移植したほうがいいと言われる 23診目 29日周期で月経が来る 26診目 高温期が21日続いたので自己検査したら陽性だった 27診目 心拍確認 その後も体調管理のため臨月に入るまで週1で治療 2023年5月末に 母子共無事に出産されました おめでとうございます |
コメント | 体外受精でグレードのよい胚盤胞を5回戻しても授からなかったが、治療を始めて6~7か月で自然妊娠した症例です 気分障害が酷く、初診時は体も過度に緊張しているツボや、力のないツボが入り交じり、あまりよくない状態でしたが、患者様が心の不安や悩みを術者に打ち明けてくださり、コミュニケーションがうまく取れたこと |
46歳女性 初診2021年4月中旬
症状 | 2006年結婚 40歳前から子供がほしいとおもうようになる 2020年9月不妊専門病院受診 子宮筋腫5センチ大が1つ、大小合わせて39個あった 2020年12月開腹オペ 6か月妊娠しないようにしなければいけない 子宮が筋腫のせいで大きくなり、まだ元に戻っていない 月経痛はなかったが、1時間に1回ナプキンを変えなければいけないほど量が多い日もあった 貧血はオペ後回復 年齢的にすぐ体外受精を始め、2020年1月採卵1個 2月0個 3月1個 4月1個 計3個 6月までは採卵のみ 仕事の関係上1日中PCの前に座って作業 性格はせっかちで月経前は特にイライラしやすい 疎肝理気 活血化オを目的に体質改善と、月経周期に合わせて周期療法をしました |
---|---|
治療経過 | 4月末の検診でオペ後の経過がいいので、移植OKとなる 5月亜鉛ビタミンDヘモグロビンなど検査 ヘモグロビン12あるがフェリチンが7と低いので鉄剤服用する 6月鍼治療7診目後初の採卵で7個とれる 結局3日目8分割 1個だけ凍結(今までで一番グレードがいい) 7月鍼治療開始前にとった2番目にグレードのいい卵移植→陰性 8月鍼治療開始前にとった卵移植→陰性 8月子宮腺筋症があると診断される 9月採卵1個 初期胚を採卵周期に戻す→陰性 ヘモグロビン13 フェリチン8 10月タイミング→陰性 11月採卵1個 初期胚を採卵周期に戻す→陰性 1月鍼治療開始前にとった卵移植 →陰性 3月最後の卵(6月に採卵した一番グレードのいい卵)移植→陽性 4月胎嚢確認 |
コメント | 鍼治療を1か月半行い46歳直前(45歳)に採卵した卵で妊娠した1例です 47歳になる少し前の妊娠(46歳)で病院の先生も驚いていたそうです 高齢で初産ですので、無事出産まで経過できることを祈っています |
39歳女性 初診2020年12月
症状 | 2009年結婚 2015年人工授精5回目で妊娠 2015年第1子出産 2018年2人目を意識しだし、病院受診 1~2年前から空腹時急に腹痛。3~4時間すると下痢して治る 色白・口唇淡泊・淡泊舌・白膩苔 |
---|---|
治療経過 | 脾陽虚・衝任虚寒として温中運脾を目的に治療しました
2診目(2週間後)前回から腹痛・下痢ない |
コメント | 18回目の人工授精での妊娠でした。 人工授精し、たまたま高温期6日目に治療したのですが鍼灸治療が着床しやすい状態に導いたのではないかと考えます。 この患者様は脾陽虚(胃腸系の冷え)があり手足の冷えも強かったですが、治療後は体が温まり1~2年前からあった腹痛下痢も治りました。2診目には脾兪~大腸兪(胃腸系のツボ)の弱りがかなり改善されており、舌の白膩苔(胃腸の冷えにより苔が増えた状態)も薄くなっていました。 鍼灸治療は子宮内膜の状態を改善するというエビデンスがあります 今回たまたま着床の時期にした治療で体が温まり子宮内の血流も改善しいい結果に結びついたのではないかと思います。 元気な赤ちゃんが生まれてくることを心待ちにしています。 追記;9月初に無事出産されました、おめでとうございます。 |
42歳女性 初診2020年6月
症状 | 2015年結婚 2016年第1子出産(第1子は結婚してすぐに妊娠) 2018年妊活始める 月経不順ではあったがタイミングで3か月後妊娠 2019年初期流産 2020年1月からタイミング 月経不順 月経量が減る 2020年4月から婦人科に通う 5月排卵を促す注射 2~3日後排卵していなかったので再度 注射 高温期10日間で月経くる 〈体表所見〉弦虚脈 尺脈虚 淡紅舌薄白苔 衝任不固 腎虚 |
---|---|
治療経過 | 週2回治療
13日目に卵胞19ミリ 10日分ルトラール処方される 37日目 自分で妊娠検査キッドにて妊娠陽性確認 現在9週 順調に経過しています |
コメント | 治療を始めてからすぐの妊娠でした。 週2回治療に通い、毎日の自宅でのセルフ灸のおかげで 初診時身体に見られたアンバランスな状態が整っていくのが こちらからもよく観察されました。 体調が整いホルモンバランスが改善されたことで早期の妊娠に繋がったのだと思います。 2021年2月無事に出産されました。 |
平成27年6月 39歳女性
症状 | 2008年12月から当院で月1~2回鍼灸治療しながら婦人科でタイミング、人工授精の治療を受ける。 2010年12月初めての体外受精で妊娠。2011年9月第1子出産。 2013年6月に第2子希望し体外受精するが判定は陰性。 2015年6月当院受診。 2013年6月の体外受精以降9回誘発しているが、2度採卵出来ただけだった。 2度採取できた卵子も受精はするものの途中で成長が止まり移殖には至らず。 BBTは低温期長め高温期やや短め(10日)の28日周期 風邪をひきやすい。仕事のストレスで半年ほど下痢が続きここ2~3か月は便秘。仕事がハードになり体がきつい。運動していない。 甘い飲料水を一日に数杯飲む。脈浮弦虚 尺脈(腎の気をみる)弱い 暗淡白舌 微黄白膩苔 |
---|---|
治療経過 |
腎精不足があり、かつ湿痰という邪が体に停滞して邪魔をしていると考え、湿痰を取り除き腎を強化する治療を行いました。3周期後に再び体外受精をする予定なのでそれまでに体を整えたいとのこと。 3診目 運動するようにし、甘い飲み物を控え1、5㎏減る。月経前に2~3日茶色おりものあるが今回はなし。ルトラール服用の為高温期のまま月経になる 4~7診目 軟便下痢傾向 整腸を意識して治療 8・9診目 月経前の体のだるさあり。次回の体外受精の事を考えすぎる 10診目 誘発剤 クロミッドとプレマリン。この頃尺脈の力が少し出てくる 11診目(9月) 1つ採卵でき、2年ぶりに今日4分割の胚を移殖できた。フラグメントもなくとても綺麗な受精卵だった 13診目 陽性判定 いつも月経前体だるいが今回はない 15診目 9週心拍確認 動悸 易疲労 昼寝しないと夕方動けない 17診目 12週 胎児ドッグ問題なし 動悸は治まってきた。夕方疲れやすい |
コメント | 今周期の月経は3か月前から準備されている卵胞の一つが主席卵胞として発育し排卵しておこると言われています。いくら誘発剤を使っても、自分の体がいい状態でないと卵胞は育つが質が悪かったり、変性卵ということもよくあります。 体外受精をする場合、個人の妊娠能力+胚培養技術+医師の技量が大切だと考えます。 個人の妊娠能力というのは、もちろん年齢も大きいですが、今回のように体外に向け 食事を見直し、運動をとりいれ、鍼灸治療で補腎(アイチエイジング)と活血(血流改善)をし自宅でセルフ灸をしてもらうことで卵の質の改善に繋がり妊娠能力が高まったのではないかと思います。 6月2日無事3590gの元気な女児を出産されました。 |
平成27年5月 34歳女性
症状 | 初潮の頃から月経不順。結婚後すぐに不妊治療始める。多嚢胞性卵巣症候群・抗精子抗体陽性。 タイミング、人工授精から体外へステップアップし3回目の胚盤胞移殖で妊娠。 平成24年11月に第1子出産。2人目を希望し平成27年2月と4月に胚盤胞移殖したが着床しなかった。今回は2日目胚を戻す予定。移殖の時エストラーナテープを貼るが子宮内膜が中々厚くならずいつも28日目ぐらいでやっと移殖出来る。 |
---|---|
治療経過 |
元々腎虚(生殖器系の弱り)があるところに、肝鬱気滞もからんでいると考え滋陰養血・疎肝理気を目的に治療しました。
2診目 内膜順調に厚くなっている(6㎜) |
コメント | 今回の治療で鍼灸治療が子宮内膜に良い影響を与え、子宮環境が着床しやすい状態に整ったため妊娠に繋がったのではないかと考察します。 |
平成24年1月 41歳女性のケース
症状 | 平成20年第1子自然妊娠にて普通分娩 平成23年自然妊娠したが、9週で稽流流産。 翌月は不正出血が続き、翌々月から月経周期が短くなる(28~30日→23~24日周期) 尺脈(泌尿・生殖器を司る腎の状態が表れる)がすごく弱くあまり触れない。 舌診 淡紅舌・瘀斑・舌下静脈怒張 |
---|---|
治療経過 |
腎虚・瘀血と証をたて、補腎をしながら瘀血をながす治療を続ける。 治療の間、婦人科ではクロミッド、ルトラール処方される周期もあれば、HCGを打つ周期もある。 半年後妊娠判定でるが、化学流産。その後も治療を続け、服薬しない周期でも高温期が安定し周期が整いだした頃(5ヶ月後) 服薬しなかった周期で自然妊娠。 平成25年10月3600gの 元気な男の子を無事出産されました。 |
コメント | 不妊治療されている患者さんで、2人目がなかなか出来ないという方も多いと思います。 今回の症例では、一般的には妊孕率が下がり、流産率が上がると言われている40代の患者 さんが、体調を整えることで妊娠できる土台が作られ、自然に妊娠し無事出産されましたので、ここに報告させてもらいます。鍼灸治療を継続することで、母体の妊娠力が上がるサポートが出来るのではないかと思います。 |
2011年2月 35歳女性のケース
症状 | 月経前症状(イライラ・落ち込み)ひどくピルを2年間服薬。 ピル中止して半年様子みるが授からず、不妊専門病院受診。内膜症初期・多のう胞性卵巣・高プロラクチン血症と診断。基礎体温は二層性だが、低温から高温への移行が数日かかり、高温期が一定しないまま下がる。仕事が忙しくなってきた20代後半から、発作的に手足氷のように冷え、体の芯・胸の辺りが熱くなり脇・胸・背中に多量に汗をかくようになる。 3年前から忙しい時など寝汗をかく。漢方薬(煎じ薬)を約1年服薬。漢方薬を服薬しだしてから、頻度は減る。 月経前は物忘れが激しく、ケアレスミスが多い。ここ1年は誘発剤とタイミングで様子見。 |
---|---|
治療経過 |
週1回治療 1診目 月経周期16日目 疎肝理気・滋陰補腎を目的に治療。 2診目 月経周期24日目 前回から寝汗・手足が急に冷えて胸が熱くなるという症状(-)治療のあとは気分が落ち着き、リラックスする。 3診目 月経周期31日目 昨日高温期がいつもより高く、味覚が変わる。自分で検査薬を使用し確認したところ陽性反応。婦人科で胎嚢確認できる 4診目 妊娠6週 つわりがひどく来院できない為、しばらく様子見。 |
コメント | この方はとても早く鍼灸の効果が表われたケースの一つですが、肝鬱(気の巡りが悪い)が酷く、そのうったいした熱が内にこもり、手足にいかないために冷える『陽鬱』 と考え治療した結果、気が巡り始め、心身ともリラックスし妊娠するにいたったと思われます。 2011年10月に3000gの男の子を無事出産されました。 |
29歳女性のケース
症状 | 社会人になってから毎月排卵痛があり、そのたびに病院へ受診。 痛みで記憶を失うこともある。25歳から約3年間ピルを服薬し、症状は良くなる。 ピルをやめ漢方薬にきりかえる。ピルをやめてから体温が2相性にならずずっと低体温のまま、ホルモン剤で月経をこさせる治療を繰り返している。他に動悸、冷え、腰痛など多数不定愁訴あり。 |
---|---|
治療経過 |
週1回の鍼灸治療 補助療法のため、自宅でお灸をしてもらう。 4診目 冷えの緩和 ホルモン剤を服薬していたため月経がくる。動悸が頻繁にするため、その治療も追加する 5診目 動悸(-)8診目 数日前から高温期続く自力排卵あり。 9診目 前日から月経がくる。高温期の期間や月経期間はまだ短いが自力排卵出来たということで、ひとまず良い傾向。 14診目 数日前から月経くる 前回より月経期間が少し延びる。 19診目 卵胞の育ちが悪いのかなかなか排卵しないので、卵を育てる力をつけるよう治療。 21診目 数日前から月経がくる。仕事で腰痛、足のしびれが悪化。その治療も加える。 その後胃腸の不調や風邪、不正出血など、その都度治療を加えながら鍼灸治療継続。 まだ周期は不安定ながらも2相性ができてくる 45診目 鍼灸治療を始めてちょうど1年、妊娠していることがわかり、喜びのお電話をいただく。 |
コメント | その後も自宅でのお灸を続けてもらい、元気な女の子を無事出産。安産だったそうです。 |
症状・経過 | 32歳女性 去年ごろから不妊治療で病院へ通う。クロミッドとHMGをうちタイミング4~5周期 注射が毎日のようにありそれが嫌で転院を考え中。検査の結果、高プロラクチン血症と多嚢胞性卵巣と診断される。BBTは二層性で低温期が長めの35日周期 肝鬱気滞として治療。病院は本人の判断で中止。4診目自分で尿検査し陽性が出たと報告される。5診目胎嚢確認できたと報告あり。つわりが時々ある。 今回は治療しはじめ、その周期で妊娠するという治療が奏功した1例です。稀な症例ですが、ストレスになっていた病院通いを一旦中止し気血を流すような治療をしたことで うまくいったのではないかと考えます。治療しているとストレスが原因になる不妊も多い印象があります。 |
---|