症例

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鍼灸治療が初めての方は、自分の症状はどれぐらいの頻度で、どの位の期間通えばいいのか知りたいと思います。
その方により体質、病歴、病の程度が違いますので、実際に診察してみないと何とも言えませんが、一般的には病にかかった期間が長かったり、病状が重ければそれだけ治療期間もかかり、病状が軽かったり、病に罹ってから日が浅ければ、治療期間は短くなります。

通院頻度としては、1回目の治療作用が消えないうちに2回目の治療をしたほうが効果が高まりますので、最初のうちは週に2~3回、症状が緩和してきたら週1回、10日に1回というように間隔をあけていくのをお勧めします。

長期にわたる疾患の場合、数回治療しないと変化が表れないことがありますが、その間に一番つらい症状だけでなく、その他の気になる症状が緩和されるなど、何らかの良い効果が期待でき、体が快方へ向かっているのを感じられると思います。

鍼灸治療を継続するなかで、もし不安な事や、心配事、疑問がありましたら、いつでもお気軽にお話ください。
多くの症例のうち一部を載せましたが、例え同じ病名でもその方の症状の程度や生活環境、食生活、仕事の状況などにより、治り方や治るまでの時間が違いますので、それをご理解のうえ、参考にしていただければ幸いです。

40代不妊・出産

症状・経過 時々体調管理で治療に見える患者さん、元々は不妊治療で通院されていました。
41歳で2人目不妊の治療を始め、1年間治療して42歳で自然妊娠、43歳で出産。
出産もスムーズに進み、生まれてきたお子さんもとても元気で病気知らずです。
不妊治療での42歳の妊娠は確率的には低いのですが、よく頑張って治療して授かったなと
当時を振り返りながらお話をしていました。
患者さん自身も、治療を始めてから冷えないように防寒をしたり、色々気を付けるようになったそうです。
40歳過ぎてなかなか難しいと言われますが、根気よく治療して養生をすれば可能性はなくないのだなと改めて感じました。

妊娠中のむくみ

症状・経過 34週の患者さん、数日前に味の塩辛いものを食べてから全身のむくみが酷いとのこと。腰痛も妊娠してから発症。
元々雨の日はむくみやすい。飲食不摂による脾虚湿盛で水湿が運化できずにむくみがでたのだろうと考えて、健脾利水(胃腸の調子を整えて水はけをよくする)を目的に治療しました。治療後むくみがとれパツンパツンだったズボンに余裕ができ靴も楽に履けるとのこと。腰も楽になりました。
足がつるので、パイオネックスという極小の鍼がついたテープを貼り様子をみてもらいます。
1週間後来院してもらうと、むくみは気にならないとのこと。足のつりも大丈夫だったそうです。
妊娠中は色々なトラブルが起こりやすいです。鍼灸治療で改善できることも多いので、ご相談くださいね。
出産まであと少し。母子とも元気で迎えられることを祈っています。

妊娠中の腰痛 逆子

症状・経過 妊娠すると出産に向け骨盤の関節(仙腸関節)が徐々に開いていきます。

元々腰痛持ちだった方、そうでなかった方でも妊娠中に腰痛を発症することは多いです。

逆子で治療を予約されていた患者さん、前日にぎっくり腰を起こしたと来院されました。

動くたびにズキッと痛みが走り、真っ直ぐに腰を伸ばせません。

逆子と腰痛の治療をしたところ、帰るころには楽になったよう。2日後に来院してもらうと、起きるときに少し痛いぐらいで

だいぶ良くなったということでした。

あとは検診で逆子が治っていることを祈るばかりです。


小児の慢性鼻炎 痰がらみの咳

症状・経過 8歳の女の子、4歳から鼻水・痰絡みの咳がでるようになり耳鼻科で副鼻腔炎と診断される。

鼻水が出だすと病院で吸引し抗アレルギー剤を服用。ひどいと抗生剤服用する。

アレルギー検査をしたが花粉・ハウスダスト陰性。

一週間抗生剤を服用すると治まり、2~3週間すると再び鼻水がでてきて咳へ移行する。

この繰り返しで、抗生剤服用に抵抗があるとのこと。

お肉が大好きで味付けも濃いものが好き。毎日ではないがアイス、チョコなどのお菓子も食べる。

習い事もたくさんしていて(楽しんでしている)毎日多忙なよう。

白膩苔が舌全体についており、舌先は紅点刺。肩背部は緊張。

肉食で味付けも濃いものが好き、お菓子も良く食べるということから胃腸に湿熱がこもり

多忙で体が疲れた時に抵抗力が弱り胃腸の経絡が通る鼻喉に影響し発症するのではないかと考えました。

初診は細い鍼で治療するが本人の希望で2診目からは小児鍼で治療。週1回治療。

現在初診から2か月経っているが、鼻水・咳はでていない。

子供は楽しいことは夢中になってするので大人のようにコリを体に感じることはないが

術者が触ると頸肩背部に張りを感じます。こういう状態が続くと抵抗力が落ち、外邪を感受しやすくなります。

週1回の治療で張りをとり自律神経を整えることで、抵抗力が上がりいい状態を保てているのではないかと思います。


出産日超過

症状・経過 当治療院で治療しながら体外受精をして子供を授かった患者さん、妊娠経過は順調でしたが予定日(5/26)がせまり
陣痛がくるようにと治療を受けられました。第1子の時は予定日超過で促進剤をうち、3日間微弱陣痛が続いて3日目で出産しました。
24日に腎陽を高めてお産が進むように治療。翌日には腰が重くなり28・29日前駆陣痛あり。6月1日にもう1回腎陽を高めお産が進むよう治療をしました。
その翌日自然と陣痛が始まり6時間後に3590gの女児を出産されました。母子とも健康です。
この患者さんは初め、10年ぐらい前に当時私が勤めていた鍼灸院で月経不順・不妊で治療を担当させてもらっていました。
開業してからも治療に来てくださって、2人の子のお母さんになられました。出産の報告を頂き、感慨深いものがあるのと同時に
この患者さんのライフイベントに関わらせて頂いたことへの感謝と喜びを感じます。
よく頑張られたなと思います。きっと素敵なお母さんになられると思います!

妊娠中の長引く咳

症状・経過 第1子出産後風邪をひきやすくなり、年に2~3回は風邪にかかるとういう患者さん。
今回は、2週間前妊娠判明と同時期に風邪をひき、夜中も咳で眠れない程1日中咳き込んでいました。
受診した時は初期ほど酷くはないが、30分から1時間おきに咳き込み、一度咳をすると暫く続くということでした。
肺気虚(呼吸器系・免疫系の弱り)に風寒を感受し肺の粛降作用(清気を吸い込んだり、津液を腎膀胱に送ったり、気道を清潔にすること)が低下し
咳が治らないのだろうと考え、祛風散寒し肺気を強化するように治療しました。
翌日来院してもらうと、昨晩はよく眠れ、明け方おきて咳をしたが昨日より↓
1週間後に来院してもらうと10→3。夕方疲れると3~4回咳するが咳き込むほどではないとのこと。
そのまた1週間後来院してもらうと咳は治っていました。
妊娠中は風邪薬が飲めないので、妊娠中のこじらせた風邪にも鍼灸が効果的であると思える1例でした。

風邪による扁桃腺炎

症状・経過 三寒四温のこの時期なかなか体温調節がうまくいかず風邪をひかれる患者さんも多いです。
昨日風邪で喉が痛いという患者さんが来院されました。
この方は3月上旬に脂っこいものを食べてからお腹がすかなく胃もたれが続いていました。
お薬を飲み始めて少し良くなってきた矢先に子供の風邪をもらったそうです。
脈は滑数、舌は紅舌灰微黄膩苔、心下部は張っていて少し自汗がありました。
暴飲暴食で胃腸に熱がこもり、胃腸の働きが低下して全身に栄養が回らず抵抗力が下がり
風熱の邪が侵入したのだと考え疏風清熱・消腫を目的に治療しました。
今日来院してもらうと昨晩はぐっすり眠れ喉の痛みがだいぶ楽になったとのこと。
昨日より舌苔が薄くなって、喉の腫れ感も無くなっていました。
風邪も初期に治療するとこじらせずに早期に治ります。

逆子

症状・経過 35週で来院された患者さん、今回第3子が逆子ということで治療させてもらいました。
初診時右尺位(腎の状態を表す)の脈力なく、小指のツボにお灸をしても熱さに左右差がありました。
2診では脈力がでてお灸の熱さも良く感じられるようになり、左右差がなくなりました。
お腹の上の方を蹴るようになったとのこと。
検診で逆子が治っていたとご連絡いただきました。
無事に出産されることを願っています。

変形性股関節症

症状・経過 11月末に股関節の痛みで来院された患者さん、痛みが強く眠れない日が続きびっこをひいている状態でした。
3月初旬に手術が決まっているとのこと。
股関節周囲の血流が悪く筋肉が痩せてしまっていました。
今日は術前最後の治療に来られました。
3回目の治療の頃から眠れるようになり、7回目の治療の頃にはびっこをひかずスタスタと歩けるようになりました。
現在ペインスケールは10→4 本人は最初の頃に比べるとだいぶ楽になったと喜ばれていました。
筋肉の痩せもなくなり、肌つやもだいぶよくなりました。
術前に少しでも状態を良くしておくことは、術後の回復にとてもいい影響を与えます。
無事に手術が成功することを願っています。

逆子

症状・経過 27週の妊婦さんが逆子治療のため来院されました。
1回治療し、自宅でもお灸をしてもらうよう指導させてもらいました。
検診でまだ治っていなかったので、28週に入った頃もう2回治療しました。
赤ちゃんが蹴っているお腹の場所が今までより上の方に感じるようになったとのこと。
至陰というツボにお灸をするのですが、初回はあまり熱さを感じず、熱さに左右差がありましたが
3回目には熱さを感じるようになり、左右差もほとんどなくなりました。
検診の結果逆子は治っていました。
逆子は自然に治ることもあるといわれ、様子を見ているうちに臨月間近になってしまった、とぎりぎりに
治療にいらっしゃる妊婦さんもいますが、28週~32週が一番治る確率が高いので
もし逆子と言われたら、早めに来院されることをお勧めします。