2024年11月20日
お灸のみで幅広い症状に対応しているという越石式灸法やお灸の作用機序についての講習を受けました。もぐさの成分の主はシネオールですが、このシネオールには血行促進作用や鎮痛作用があり、体内の老廃物を排出し、むくみにも効果的です。
鍼と灸の効果の違いを聞かれることがよくありますが、鍼は即効性があったり主に神経系に作用すること、鎮痛作用に優れているという特徴があります
お灸は作用は緩慢だが繰り返しにより持続性がある、主に体液性に作用すること、血流改善作用・免疫調節作用に優れているという特徴があります
お灸は作用が緩慢といいましたが、お灸のすえ方によってはギックリ腰の様な急性症状にも比較的即効性があり、鎮痛効果を出せるのです
お灸をすえるとマクロファージ(免疫細胞)が活性化することが証明されており、体温上昇作用もあるので免疫力が上がります
研究ではヘルペスウイルスに感染させたマウスの足三里というツボにお灸をすると、NK細胞活性が増強しお灸をしないマウスより生存率が上昇しました
また黄色ブドウ球菌に感染させたマウスにお灸をするとマクロファージの自食作用を活性化し、お灸をしないマウスより生存率が上がりました
関節炎にはお灸はとてもよく効くのですが、これもお灸をすると関節炎を誘発する物質が減少したという研究結果が出ています
お灸を繰り返しすえることは症状改善・体調管理に役立つので当院でも自宅施灸をお勧めしています
お灸のみで幅広い症状に対応しているという越石式灸法やお灸の作用機序についての講習を受けました。もぐさの成分の主はシネオールですが、このシネオールには血行促進作用や鎮痛作用があり、体内の老廃物を排出し、むくみにも効果的です。
鍼と灸の効果の違いを聞かれることがよくありますが、鍼は即効性があったり主に神経系に作用すること、鎮痛作用に優れているという特徴があります
お灸は作用は緩慢だが繰り返しにより持続性がある、主に体液性に作用すること、血流改善作用・免疫調節作用に優れているという特徴があります
お灸は作用が緩慢といいましたが、お灸のすえ方によってはギックリ腰の様な急性症状にも比較的即効性があり、鎮痛効果を出せるのです
お灸をすえるとマクロファージ(免疫細胞)が活性化することが証明されており、体温上昇作用もあるので免疫力が上がります
研究ではヘルペスウイルスに感染させたマウスの足三里というツボにお灸をすると、NK細胞活性が増強しお灸をしないマウスより生存率が上昇しました
また黄色ブドウ球菌に感染させたマウスにお灸をするとマクロファージの自食作用を活性化し、お灸をしないマウスより生存率が上がりました
関節炎にはお灸はとてもよく効くのですが、これもお灸をすると関節炎を誘発する物質が減少したという研究結果が出ています
お灸を繰り返しすえることは症状改善・体調管理に役立つので当院でも自宅施灸をお勧めしています
2024年10月2日
2024年09月27日
2024年08月9日
先日学術講習会を受けました。最先端の痛み研究・治療をされている伊藤和憲先生の講義です。とても面白くためになる講義内容でしたので、ここで少しご紹介したいと思います。
慢性痛とはぎっくり腰や寝違いのような急性期痛ではなく、一般的に3~6か月を超えて継続する痛みのことを指します。痛みが長引くことで防御反応として交感神経が亢進し、血管や神経が収縮し虚血状態となります。それが長期に及ぶと手足の冷えや便秘・不眠など不定主訴も引き起こします。
慢性痛は痛みを脳の体性感覚野で認識することに加え『情動』が関与し、脳の大脳辺縁系に影響し不安・抑うつ・怒りが起こります
さらに『認知』が関与すると痛みが記憶され、脳の前頭前野に影響を及ぼします。
痛みが慢性化するにつれて大脳辺縁系や前頭前野が悪さする状態になります。
この『情動』『認知』が痛みに加わると治療効果を大きく変えてしまい、治療が難航します。
慢性痛になりやすい人は特徴的な考え方や行動パターンがあります。
痛みに対する不安のためにインターネットで自分に不利になる脅迫的情報ばかり集めてしまったり、「自分だけどうしてこうなってしまったのか」「動くと痛みが悪化するから動かない」「痛みのためにやりたいことを制限している」などネガティブな感情や不安、恐れを感じ自分を壊す思考を持ちやすく【破局的思考】、それが痛みを悪化させると知られています。
例えば慢性腰痛があって痛みが広範囲に存在し、天気で痛みが悪化したり、不定愁訴が多かったり、気分で痛みが変化する場合は疼痛局所の問題だけではなく、脳が関係している可能性が高いです。
疼痛局所に鍼灸を行うことで筋緊張緩和・血流改善に伴う発痛物質の減少、さらに脊髄で痛みをコントロールすることで痛みを軽減させることに加え、脳性鎮痛を賦活させ自律神経や免疫系を調整して痛みを緩和します。
手足や顔に鍼をすると下行性疼痛抑制系のような脳性鎮痛を賦活させやすくなります。
なぜなら脳の体性感覚(体からの刺激を感じる場所)エリアで手足顔が占める領域が大きいので、手足顔への刺激は脳を活性化させやすいのです。
近年では慢性疼痛の中でも、痛覚の感じ方が変わってしまった痛覚変調性疼痛が問題になっています。
次回痛覚変調性疼痛についてご紹介したいと思います。
先日学術講習会を受けました。最先端の痛み研究・治療をされている伊藤和憲先生の講義です。とても面白くためになる講義内容でしたので、ここで少しご紹介したいと思います。
慢性痛とはぎっくり腰や寝違いのような急性期痛ではなく、一般的に3~6か月を超えて継続する痛みのことを指します。痛みが長引くことで防御反応として交感神経が亢進し、血管や神経が収縮し虚血状態となります。それが長期に及ぶと手足の冷えや便秘・不眠など不定主訴も引き起こします。
慢性痛は痛みを脳の体性感覚野で認識することに加え『情動』が関与し、脳の大脳辺縁系に影響し不安・抑うつ・怒りが起こります
さらに『認知』が関与すると痛みが記憶され、脳の前頭前野に影響を及ぼします。
痛みが慢性化するにつれて大脳辺縁系や前頭前野が悪さする状態になります。
この『情動』『認知』が痛みに加わると治療効果を大きく変えてしまい、治療が難航します。
慢性痛になりやすい人は特徴的な考え方や行動パターンがあります。
痛みに対する不安のためにインターネットで自分に不利になる脅迫的情報ばかり集めてしまったり、「自分だけどうしてこうなってしまったのか」「動くと痛みが悪化するから動かない」「痛みのためにやりたいことを制限している」などネガティブな感情や不安、恐れを感じ自分を壊す思考を持ちやすく【破局的思考】、それが痛みを悪化させると知られています。
例えば慢性腰痛があって痛みが広範囲に存在し、天気で痛みが悪化したり、不定愁訴が多かったり、気分で痛みが変化する場合は疼痛局所の問題だけではなく、脳が関係している可能性が高いです。
疼痛局所に鍼灸を行うことで筋緊張緩和・血流改善に伴う発痛物質の減少、さらに脊髄で痛みをコントロールすることで痛みを軽減させることに加え、脳性鎮痛を賦活させ自律神経や免疫系を調整して痛みを緩和します。
手足や顔に鍼をすると下行性疼痛抑制系のような脳性鎮痛を賦活させやすくなります。
なぜなら脳の体性感覚(体からの刺激を感じる場所)エリアで手足顔が占める領域が大きいので、手足顔への刺激は脳を活性化させやすいのです。
近年では慢性疼痛の中でも、痛覚の感じ方が変わってしまった痛覚変調性疼痛が問題になっています。
次回痛覚変調性疼痛についてご紹介したいと思います。
2024年05月20日
NHKスペシャル 東洋医学を科学する 「鍼灸・漢方の新たな世界」が放送されました
鍼灸・漢方は不思議、神秘的と思われてきましたが最近は研究が進み、なぜ鍼灸・漢方が効くのか
そのメカニズムが解明されています
科学的に証明され、その効果が評価されています
鍼灸科が併設されている大学病院もあり、西洋医学と東洋医学が協力し合い患者さんの治療にあたっています
NHKプラスで見逃し配信もありますし、地上波では5月22日水曜23時50分~0時35分まで明日が変わるトリセツショー ツボパワー解明 肩こり腰痛疲労&美容SP
5月23日木曜0時35分~1時25分 NHKスペシャル東洋医学を科学する 鍼灸・漢方の新たな世界
再放送あります ぜひご覧ください
NHKスペシャル 東洋医学を科学する 「鍼灸・漢方の新たな世界」が放送されました
鍼灸・漢方は不思議、神秘的と思われてきましたが最近は研究が進み、なぜ鍼灸・漢方が効くのか
そのメカニズムが解明されています
科学的に証明され、その効果が評価されています
鍼灸科が併設されている大学病院もあり、西洋医学と東洋医学が協力し合い患者さんの治療にあたっています
NHKプラスで見逃し配信もありますし、地上波では5月22日水曜23時50分~0時35分まで明日が変わるトリセツショー ツボパワー解明 肩こり腰痛疲労&美容SP
5月23日木曜0時35分~1時25分 NHKスペシャル東洋医学を科学する 鍼灸・漢方の新たな世界
再放送あります ぜひご覧ください
2024年05月13日
2024年05月13日
平素よりご愛顧賜りお礼申し上げます。
この度治療費を改定させていただくことになりました。
昨今の物価上昇に伴い、鍼・灸をはじめとした消耗品・備品の値上げや、原油価格高騰による光熱費の負担が大きくなっております。
患者様には誠にご迷惑をおかけしますが、この度2024年7月1日より下記の通り治療費の改定をさせていただきたく存じます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
- 美容鍼灸6000円→6500円
- 鍼灸治療大人4000円→4500円
- 鍼灸治療小学生2500円→3000円
*小児鍼・逆子治療・中高生鍼灸治療は変更ありません
平素よりご愛顧賜りお礼申し上げます。
この度治療費を改定させていただくことになりました。
昨今の物価上昇に伴い、鍼・灸をはじめとした消耗品・備品の値上げや、原油価格高騰による光熱費の負担が大きくなっております。
患者様には誠にご迷惑をおかけしますが、この度2024年7月1日より下記の通り治療費の改定をさせていただきたく存じます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
- 美容鍼灸6000円→6500円
- 鍼灸治療大人4000円→4500円
- 鍼灸治療小学生2500円→3000円
*小児鍼・逆子治療・中高生鍼灸治療は変更ありません
2024年05月3日
鍼灸院にかかる愁訴第1位2位は肩こり腰痛というデータがでており
鍼をするとコリがよくなる、痛みが緩和するというイメージは浸透しているようです
鍼鎮痛に関するメカニズムは明らかになっており、抗炎症性鎮痛・脊髄脳性鎮痛・末梢性鎮痛がありますが、今回は末梢性鎮痛(筋に対する効果)をお伝えしたいと思います
筋疲労で筋痛をおこした筋は、安静時でも筋電図が確認できます(安静時でも筋が収縮している)
この筋緊張したところに鍼を刺すと瞬時に筋緊張が緩和し筋電図の消失が確認されます
筋緊張が緩むと筋の阻血が改善され、発痛物質の代謝が進み痛みが和らぐのです
これと同時進行で、鍼をすると筋細胞から筋細胞外へアデノシンが放出します
痛みを伝えている神経の受容体にこのアデノシンがくっつくと、発痛物質がくっつけないので痛み刺激がブロックされます
鎮痛剤を飲まなくても、このような鎮痛が自分の体の中でおこっているのです
やっぱり鍼って素晴らしい!
鍼治療はポンっと背中をおしてあげるのですが、自分の体を治しているのは自分自身です
自分の体が疲弊しすぎないように、疲れきる前に労わってあげることが大事です
鍼灸院にかかる愁訴第1位2位は肩こり腰痛というデータがでており
鍼をするとコリがよくなる、痛みが緩和するというイメージは浸透しているようです
鍼鎮痛に関するメカニズムは明らかになっており、抗炎症性鎮痛・脊髄脳性鎮痛・末梢性鎮痛がありますが、今回は末梢性鎮痛(筋に対する効果)をお伝えしたいと思います
筋疲労で筋痛をおこした筋は、安静時でも筋電図が確認できます(安静時でも筋が収縮している)
この筋緊張したところに鍼を刺すと瞬時に筋緊張が緩和し筋電図の消失が確認されます
筋緊張が緩むと筋の阻血が改善され、発痛物質の代謝が進み痛みが和らぐのです
これと同時進行で、鍼をすると筋細胞から筋細胞外へアデノシンが放出します
痛みを伝えている神経の受容体にこのアデノシンがくっつくと、発痛物質がくっつけないので痛み刺激がブロックされます
鎮痛剤を飲まなくても、このような鎮痛が自分の体の中でおこっているのです
やっぱり鍼って素晴らしい!
鍼治療はポンっと背中をおしてあげるのですが、自分の体を治しているのは自分自身です
自分の体が疲弊しすぎないように、疲れきる前に労わってあげることが大事です
2024年05月2日
先日、福島県立医科大学会津医療センターの教授 鈴木先生の講義を受けました
とても面白かったので、紹介したいと思います
鍼灸治療はどんな効果があるかというと
①鎮痛効果
②生体防御効果
③循環改善効果
④自律神経調整効果
⑤リラックス効果
⑥抗鬱効果
があります
最近は鍼灸をするとその刺激がどの神経を伝ってどういうルートで脳へいき、脳がどういうリアクションをするのかという研究が進み、色々なことがわかってきています
ツボは361個ありますが、そのツボの位置は神経や血管の走行に一致していることが多く、自律神経がツボの周辺には多く分布しています
私たち鍼灸師はツボの反応を見ますが、疾病の際にザラつき、発汗、冷え、湿り、過敏などツボに反応が表れます
このような自律神経の反応が高い部分が治療点にもなります
消化不良に足三里というツボを使うことがありますが、この足三里は腸管蠕動運動促進作用があり、実際に胃電図で図ると鍼刺激後、胃の蠕動運動が亢進しこの効果は50分も継続します
レントゲンでは鍼刺激後、腸の始まり(上行結腸)にあったガスが腸の最後(直腸)まで動いたことが確認されました
なぜこのようなことが起こるのか?
足三里に鍼をすると痛みを感受する神経線維(C繊維)が興奮して脊髄後角→脳→延髄→迷走神経反射→アセチルコリン放出→胃の収縮が起こる
というメカニズムです
【アセチルコリン 神経伝達物質で自律神経に働き、筋収縮に作用する 腸蠕動の亢進など】
薬を飲まなくても薬と同じ効果が出せるのです (薬理作用)
鍼って素晴らしい!
鍼は非薬物療法でありながら薬と同じ効果がだせる、そして自然治癒力を賦活するお手伝いができるというのが特徴です
part2では鍼の鎮痛効果について紹介したいと思います
先日、福島県立医科大学会津医療センターの教授 鈴木先生の講義を受けました
とても面白かったので、紹介したいと思います
鍼灸治療はどんな効果があるかというと
①鎮痛効果
②生体防御効果
③循環改善効果
④自律神経調整効果
⑤リラックス効果
⑥抗鬱効果
があります
最近は鍼灸をするとその刺激がどの神経を伝ってどういうルートで脳へいき、脳がどういうリアクションをするのかという研究が進み、色々なことがわかってきています
ツボは361個ありますが、そのツボの位置は神経や血管の走行に一致していることが多く、自律神経がツボの周辺には多く分布しています
私たち鍼灸師はツボの反応を見ますが、疾病の際にザラつき、発汗、冷え、湿り、過敏などツボに反応が表れます
このような自律神経の反応が高い部分が治療点にもなります
消化不良に足三里というツボを使うことがありますが、この足三里は腸管蠕動運動促進作用があり、実際に胃電図で図ると鍼刺激後、胃の蠕動運動が亢進しこの効果は50分も継続します
レントゲンでは鍼刺激後、腸の始まり(上行結腸)にあったガスが腸の最後(直腸)まで動いたことが確認されました
なぜこのようなことが起こるのか?
足三里に鍼をすると痛みを感受する神経線維(C繊維)が興奮して脊髄後角→脳→延髄→迷走神経反射→アセチルコリン放出→胃の収縮が起こる
というメカニズムです
【アセチルコリン 神経伝達物質で自律神経に働き、筋収縮に作用する 腸蠕動の亢進など】
薬を飲まなくても薬と同じ効果が出せるのです (薬理作用)
鍼って素晴らしい!
鍼は非薬物療法でありながら薬と同じ効果がだせる、そして自然治癒力を賦活するお手伝いができるというのが特徴です
part2では鍼の鎮痛効果について紹介したいと思います
2024年04月24日
症例ページへ膝痛 自律神経失調 首腕の痛みの症例を追加しました
症例ページへ膝痛 自律神経失調 首腕の痛みの症例を追加しました