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椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛・脛のしびれ

55歳男性 初診2021年12月下旬 

症状 この1年リモートワークばかりだったが、先週出張で新幹線の移動が多かった。その際に寒かったので冷えた。
右のお尻から鼠径部、太ももの後ろ側、脛から母趾にかけジンジンヒリヒリする痛み、しびれで動けなくなる。

昨日整形外科でレントゲン、エコーをしたらL5の椎間板がつぶれて狭い。ブロック注射をし、寝るまで楽だったが、翌朝元に戻る。
姿勢を変えるときにビクンと痛みが走る。夜痛みで眠れない。座っているとしびれてくる。坐薬や鎮痛剤が効かない。

L前屈(⧻)拇趾の触覚鈍麻 

膀胱経筋不利 
L4L5 と同じ支配エリア(足三里、陽陵泉)への鍼刺激で鎮痛効果をねらう L4L5 周囲の血流改善

治療経過 週2治療
2診目 治療後から翌日は楽だった。今日昼から痛くなるが、座れるようになる。しびれは不変

3診目 坐薬をいれて、楽だった。一日2回鎮痛剤服用 右下肢に体重をかけると右臀部後側へ張痛。しびれ若干減る。

4診目 MRI検査でL4/L5ヘルニアと診断 髄核が脱出しているが白血球が食べてくれるまで、様子をみるよういわれる。リハビリもなし
順調に良くなっている。坐→立(-) 臥→起(+)歩くと股関節周囲へ張痛 しびれ↓ 

5診目 坐薬は使用していない。今日は鎮痛剤なしでも大丈夫 姿勢を変えるときが一番痛い 歩行時の痛みは軽くなっている

6診目 ペインスケール10→2 坐・臥→立しばらくしびれるが、少しとどまっていると消えていく。股関節周囲・脛は違和感ぐらいになっている

週1治療 

7診目 鎮痛剤1日1回に減らす。坐・臥→立のしびれは軽くなり、消える時間も早くなる。

8診目 仕事で久しぶりに歩いたが痛みなし。脛のしびれはあるが、軽くなっている。動作時の股関節周囲の痛みもない。

コメント 早期に治療を開始し、治療間隔をつめて行った結果、順調に緩解し、椎間板ヘルニアによる下肢痛が1か月ほどで治癒したケースです。
L4L5周囲の血流改善で、痛みがよくなった後、しびれも遅れて改善されると思います。
今は研究が進んで、鍼灸治療の鎮痛機序がだいぶ解明されています。
今回のように急性痛だけではなく、何年も痛みが続いているような慢性痛にも鍼は奏功します。