TOP > 症例 > 更年期障害 (不安感・恐怖感・意欲の低下)
初診2017年4月19日 54歳女性
症状 | 2016年1月仕事中意味なく不安になる 胸のザワザワ 自宅では急に怖くなり襲われる感じ 加味逍遥散でおさまる 恐怖感はなくなるが不安感は残る 2016年2月閉経 2016年5月仕事辞め、他院にて鍼灸治療を受ける(5月~10月) 徐々に良くなり不安感・動悸はあるものの春には良くなるだろうと明るい展望が出来るようになる 2017年1月の寒い日、冷えと疲れから今までに感じたことのない不安感・動悸・不眠・食不振が2~3週間続いた 2017年2月心療内科で加味帰脾湯 桂枝加竜骨牡蠣湯 六君子湯を処方され2週間で不安感が落ち着いてくる 現在の状況 今まで難なくできたことに対して不安になる その不安も何ものかわからないので怖くなる |
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治療経過 |
閉経期におこる急激なホルモン変化による更年期障害ですが、東洋医学的に心脾両虚、肝鬱血虚と症をた益気補血 健脾養心 疎肝理気 補腎益精を目的に治療をしました 治療後は弦脈がゆるみ、手掌のほてりと足の冷えがとれました。自宅でもお灸をしてもらうように指導させてもらいました 最初2週間は週2でその後は週1で治療 最初1か月は胸のザワザワあったり調子のいい日があったりでしたが、1か月を過ぎるころから胸のザワザワが気にならなくなり日帰りですが遠出もできるようになる 5月の終わりには友人と夜外食もできるようになり不安感をあまり感じなくなる 元々梅雨の時期は体調が悪いのですが、6月梅雨に入り不安感が強くなったり、やる気が出なかったり、体のだるさがあり、友人と食事に行くのが不安になる 9月に施術者が産休にはいり治療は一旦休止しましたが、2018年7月現在仕事も週2回行けるようになり、不安感もなく過ごされています。 治療をするうちにそのツボの状態が良くなり、張りが出てくるのと並行して体調も改善していき、今では体つきもふっくらし顔色もよくなりました |
コメント | この方はベースが脾の弱りなので胃腸の働きを強化するように毎回治療し、その日の訴えに応じて疎肝を意識したり補腎をして治療していきました 閉経前後5年ずつを更年期と呼びます 45歳から55歳頃に更年期を迎える方が多いですが、この時期に検査では特に異常ががないけれど、身体的症状や精神的症状(ホットフラッシュ・めまい・頭痛・全身倦怠感・不眠・憂鬱・不安・やる気のなさ・落ち込み)を呈するものを更年期症状と言い、それが酷くなり日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と言います 西洋医学では急激な女性ホルモン低下をホルモン補充療法で治療するのですが、ホルモン補充が出来ない方、副作用が気になる方は東洋医学(漢方・鍼灸)での治療を希望される方も多いです 鍼灸治療は自律神経やホルモンバランスを整える、リラクゼーション効果、血流改善を期待できます 今回の症例は更年期に自身の環境の変化や疲れをきっかけに精神症状を発症したケースです 東洋医学的に今の体の状態や発症機序をご説明したり、治療後の体の変化(脈や舌、ツボの状態の改善)をお伝えすることでご本人も納得されたり安心された様子でした |