35歳女性のケース
症状 | 毎年春花粉症でクシャミ・鼻水・目の痒み・咳がでる。 今年も1月から花粉症の治療を行い、症状はおさえられていたが2月に妊娠が判明し3月ごろからつわりが出だす。 4月に貧血の為鉄剤を服用し更に気持ち悪さが増強し、そこへ息子の風邪を感受して副鼻腔炎を併発する。眉間の間が熱く重い・頭重・鼻づまりで眠りが浅い・鼻水が喉におりて咳・黄緑色の鼻水 脈:浮滑数 淡紅舌薄苔・舌先紅点 顔面診:目鼻のライン紅 |
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治療経過 | 肺経鬱熱の鼻塞として疏風清熱・排膿通きょうの治療2日おきに4回治療し、上記症状(-) |
コメント | この患者さんは元来、気血両虚の体質であったが、つわり・鉄剤の服用で脾胃を傷め、そこへ風熱邪を感受したことにより、肺経(東洋医学では呼吸器系全般を包括している)に熱がこもり、肺の粛降機能が阻害され副鼻腔炎になってしまいました。 体は寒がり、手足は冷えているが首から上だけに熱が傾き上下のバランスが崩れていました。元来の脾胃の弱りをフォローアップし、こもった熱をとっていく事で抗生剤を使わずに比較的短期間で治癒にいたったケースです。毎回治療後は鼻が通り、頭痛がとれ治療を重ねるごとに軽快していきました。 妊娠中は薬が使えないので、このような急性症状にも安全に対処できる鍼灸治療は、出産までの体調のケアや安産目的として真価を発揮すると思われる症例でした。 |