症例

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酒さ(頬の赤み、ほてり、ブツブツ) 

初診2017年3月初旬 31歳女性

症状 頬の赤み・ほてり・ブツブツ(丘疹) 首の赤み・痒み
2014年11月 第1子出産
2015年9月 月経再来 その頃から頬にニキビに似たブツブツ(丘疹、膿疱)が出来る。
2015年11月 断乳
2015年12月 頬の赤み、痒み、ほてり酷くなる。
2016年1月 皮膚科1・2件目ステロイド(ロコイド)塗らないと再発
2016年3月 皮膚科3件目で酒さと診断され、抗生剤服用して翌日から改善。服薬期間を徐々にあけ1か月半で中止。その後は漢方を飲み続け悪化はしていない。
2016年5月 ご主人の転勤で名古屋へ引っ越し漢方薬局で漢方処方してもらうが不変。

緩解 午前中 月経中 化粧水で冷やす
悪化 月経前(1週間前からブツブツ↑↑) 寒暖差の激しい場所を行き来する 13時~15時急に頬がほてる(ほてると足が冷えている)
 昼以降 入浴後 昼・夕食後 日光 夏 冬の寒風

上熱下寒 血熱による皮膚紅斑・ざ瘡 清熱解毒を目的に少数鍼で治療

浮渋数脈 眼けん結膜充血 淡紅舌薄白苔 舌先紅刺 足首から下は発汗してとても冷えている
左太衝 実・熱 左心兪~膈兪 実 左側腹部緊張

治療経過 週2ペースで治療
2診目 前回後2日間、午後からの急なほてりなし 頬の赤み(↓↓)ブツブツ(↓)首の赤み(-)浮滑数脈
 
3診目 前回から午後からの急なほてりなし 今少しほてりあり 頬の赤み(+) 滑数脈 舌先紅刺(↓) 治療後脈が遅くなる(熱が取れた証拠)
4診目 午後からの急なほてり軽い 赤み減ってきている

週1ペースで治療 
5診目 午後からの急なほてりだいぶ減るが、一昨日から鼻の周りにプツプツ 時々痒い 頬赤み(↓↓)

6診目 日に当たるとのぼせるが30分から1時間でひく、他(-)。 プツプツ(-) 舌先紅刺が減り、以前より脈が遅くなる
 
7診目 2日前に今までと違うメーカーの化粧水を使用したら顔が真っ赤になり、むくみ痒み まぶた(右<左)痒く腫れ 顔全体赤み(+) プツプツ(+)
    背部にある清熱解毒効果のあるツボから刺絡 治療後痒み落ち着き、脈も遅くなる

8診目 前回治療翌日には顔の赤み プツプツ 瞼の腫れがひく

コメント 8診目頃には足の冷えがマシになり、舌先の紅刺がほぼ目立たなくなり、脈も緩脈やや数となりました。
このことは症状の緩解と比例して身体所見も上に昇っていた熱症状がとれてきたことを表しています。
また刺絡をすることで、速やかに腫れ・赤みがひいたことも熱が取れたことを表しています。
抗生剤やステロイドを使わなくても、体質を改善すれば症状は緩解することが証明された一例でした。

慢性蕁麻疹

平成28年1月 36歳女性

症状 2014年11/1第三子出産 妊娠中授乳中は蕁麻疹なかったが、2015年11月卒乳したら全身に蕁麻疹がでだす。12月月経再開。
月経2~3日前からポツポツでだし、1日~3日目まで酷い。悪化要因 夕方以降 風邪をひく 寝不足 日光 雨天前、雨天 下着の当たる箇所 
赤く膨隆状に広がり、出だしが痒いが出てしまえば痒みなし
随伴症状 頭痛 毎日 起床時こめかみ辺りがジーンと重痛い 毎日頭痛薬服用 妊娠中は頭痛なし
血液検査ではアレルギーなし 第1子出産後から抗核抗体80倍(膠原病の疑い)
現在抗アレルギー剤3種類服用中 数日前から頭痛薬中止している 飲酒 週末ワイン2~3杯 睡眠6時間
脈沈数 淡紅舌やや暗 薄白苔 舌下静脈(-) 血熱と考え清熱涼血 活血通絡を目的に治療しました。
治療経過 2診目 治療後の2日間は蕁麻疹(-)昨日風邪をひき夕方から全身に蕁麻疹
3診目 治療後の2日間は蕁麻疹(-)頭痛薬1日服用

4診目 夕方から外側赤く内側白い膨隆した大き目の蕁麻疹でる 子供を寝かしつけて一息ついた頃に引いていることもある。
    手掌赤く熱こもる 清熱解毒のツボから刺絡(血を抜く) 今日頭痛薬服用

5診目 前回治療の後すぐ蕁麻疹引き数日調子よかった。月経直前、1日目蕁麻疹酷くなるも、今までの月経の時より蕁麻疹の程度が軽かった。
    以後刺絡を毎回の治療に加える。

8診目 月経前だが調子よい 大きい蕁麻疹が減る。手足は少ない

9・10診目 月経初日、中は寝不足もあり蕁麻疹酷かった。右の顎関節症があり、側頚部の張りが強い。夜中のくいしばりが朝のこめかみ痛と関連している可能性もあるのでマウスピースを作ってもらうように指導

14診目 マウスピースをはめるようになり、朝の顎関節痛減る。

17診目 雨天前頭痛酷くなるが、頭痛の頻度が減ってきた。月経初日2日目は少し蕁麻疹出たが、いつもより少ない。月経前は蕁麻疹(-)

20診目 子供の運動会があった頃から10日間ほど蕁麻疹が続いている

22診目 調子よい 夕方からも出ていなく、月経前・中も蕁麻疹(-)

その後風邪で発熱したり、発汗すると蕁麻疹が出ていましたが、調子の良い日が続き、治療始めて9か月頃には発汗しても蕁麻疹がでなくなり10か月頃には抗アレルギー剤の服用を中止しても大丈夫になりました。
その頃から週1回の治療を2週間に1回にして様子をみていき治療し始めて1年後には毎日頭痛で薬を飲んでいた状態から雨天日に痛くなるぐらいになってきた。
蕁麻疹は殆どでなくなり時々部分的に出ることもあるが、少しポツポツぐらいでひいていくようになりました。

コメント 3児の母で自営業ということもあり、毎日時間に追われて忙しいのに加え、薬を毎日服用することで薬毒が血熱を生じ、皮膚を阻滞することで蕁麻疹が発生したと考えました。
途中から刺絡の治療を加えましたが、蕁麻疹が酷い時ほど暗紅色のドロドロした粘調度の高い血液が多量に排出され、症状が良くなるにつれ鮮紅色のサラッとした血液が少量排出するように変化してきました。
血熱お血が取れてきた証拠です。この患者さんは第1子出産後から蕁麻疹がでだし、第2子妊娠中は蕁麻疹が引き、また出産後に蕁麻疹がでるという慢性の蕁麻疹を患っていましたが、今回1年かけてしっかり治療したことで、終息しました。原因不明の蕁麻疹でも東洋医学的に弁証して治療していくことで体質改善し根本から治せます。鍼を信じて長期来院して下さった患者さんに感謝します。

皮膚(特に両頬)の発赤・乾燥・荒れ

平成26年4月 43歳女性のケース

症状 小学生低学年から高校生まで膝裏・肘・首に発赤、搔痒、掻き毟りによる出血があった。
高校生・大学生の頃は食べ物や化粧品に反応して皮剥けや痒みあり。
23歳ころから、精神的緊張や肩こりで頭痛がおこるようになる。
32歳頃大きなストレスがあり、肌荒れ悪化。その頃から肌荒れ酷くなる。38歳心配事があり半年以上頭痛続く。
最近は乾燥してヒリヒリ、皮剥け酷いので化粧はなるべくせず、ぬるま湯で洗って、保湿のみしている。皮膚の事に気を使いすぎて疲れる。増悪因子;春・月経中・精神的緊張・パソコン作業・冬の寒風
緩解因子;月経後・散歩後細かい性格で小さいことが気になり、一人で頭の中を堂々巡りしている。
元々の性格や、自然界の気が上昇する春に悪化すること、ストレスにより悪化する事などから肝鬱気滞による化火で両頬に発赤・皮剥けがおこると考え治療。
治療経過 週1回の少数鍼による治療の経過
3診目 赤みが落ち着く。4診目 前回から10日空いたが、化粧した日に皮剥け2回ほど。細かい皮剥けはちょくちょくある。5診目 人ごみで頬真っ赤になった日があり。化粧したが、悪化せず。6診目 頬の赤み・皮剥け減少。8診目 赤み気にならない。入浴後いつも真っ赤だったのがなくなる。ざらつきはある。11診目 連日化粧すると乾燥感あり。皮剥けはなくなる。
13診目 調子よい。化粧してもざらつきない。以前は風があたったり、汗や自分の髪が触れただけでピリピリしていたが、今はない。

16診目 連日化粧しても、大丈夫になる。肌の負担感じない。

コメント 春に悪化しないよう、現在も治療に通われていますが、頬の赤み、乾燥はなくなり、連日化粧を長時間しても気にならなくなり、だいぶ楽になられたようです。
夏の暑さが今年は楽だったり、イライラしなくなったり、頭痛も頻度がだいぶ減り、寝込むほどの痛みはなく、軽くなったようです。このような副効果が得られたのも、気の上昇を引き下げる治療を続けたおかげだと思います。

全身痒み

平成26年6月初旬 38歳女性のケース

症状 1月に断乳してから夜目覚めると中々寝付けなかった。
3月に月経再開。娘の初節句でご主人のご両親が家に数日泊り、大変だった。
4月中旬から5月初旬まで風邪。
5月初旬に腕が痒くなる。翌日から月経と同時に痒みが酷くなり、足や胸、お腹も痒み広がる。月経中、顔・ひざ裏・腕がむくみ、痒みが出た頃から便秘。月経量多く、周期短め月経痛強い。
月経前のイライラ激しく、低温期より高温期になってからの方が痒み強い。
夜中10時から2時頃が痒み強く目が覚め、眠れない。脈沈数  淡白舌・白苔・舌先紅刺
治療経過 寝不足・月経再開で体を滋養出来ず、ストレスが加わることで内熱が生じ、さらに風邪をひいて、内風が起こり痒みを発症したと考える。
夜中や、月経の高温期に痒みが酷いことから実証である血熱による痒みと考え、清熱涼血の治療をする。
2診目 前回の治療後むくみ減り、毎日便通あり。痒み不変。
3診目 首回りとお腹の痒み減る。
4診目 上記の部位痒みだいぶ減り、腕も少しひく。
5診目 前回治療後夕方まで調子よかった。
8診目 夜の痒み減る。
10診目 冷やせば、夜眠れるようになる。
12診目 冷やさなくても眠れるようになる。
13診目 終日痒みなし。
コメント 治療間隔は最初の2週間は週3ペースで、3.4週間目は週2その後週1で来院されました。
熱心に治療に通われたことと、少数鍼で的を絞った治療のおかげで早期に主訴が緩快し、患者様も大変喜ばれた症例です。

蕁麻疹

7歳女の子のケース

症状 2歳アレルギーと診断され、減感作療法を受ける。4歳蕁麻疹が5か月続く。
治療経過 最初は小児鍼で治療 週2回の治療。
2診目 蕁麻疹はでるが、翌日久しぶりにきれいにひく。6診目 一番細い鍼で治療。9診目 調子よく、蕁麻疹のでない日が続く
コメント 食欲も以前よりでて体重が増えました。季節の変わり目など、蕁麻疹のでることもあるが、最初の鍼灸治療から3ヵ月後蕁麻疹、咳のでない日が続くようになる。
1年後蕁麻疹はほとんどでなくなり、鼻水も以前より軽くなりました。

アトピー性皮膚炎

19歳女性のケース

症状 生後半年から背中・お尻がカサカサし、3歳の時小児科でステロイド軟膏を処方される。12歳 顔にジュクジュクした膿が出る。
ステロイドのリバウンドで悪化。一時的にひかせる為、ステロイド注射を打ち、薬をやめ3~4年かけて徐々に良くなる。18歳の時大学受験で悪化。ステロイド剤を半年間服薬。19歳からステロイド剤減らすが、又悪化し1週間入院。
治療経過 週3回の鍼灸治療
3診目 3~4日に1度だったお通じが、毎日あるようになる。
5診目 顔の赤みが少し減る最初の鍼灸治療から2ヶ月ぐらいで赤み、乾燥が減る。ステロイドの副作用で月経不順だったのが、毎月くるようになる。4ヵ月後 痒みも減っていき、治療間隔を週に2回に減らす。1年後 赤み、乾燥はほぼ無くなり、お化粧もできる様になる。
コメント 花粉症もある為、その治療も加えながら週1回の鍼灸治療を続ける。
季節の変わり目や疲労で時々悪化するため、良い状態を維持できる様、しばらく鍼灸治療を継続し、アトピー特有の皮膚の赤黒さも薄くなりました。