先日、東京有明医療大学の松浦先生の講演を聴講しました
MRIを使って鍼刺激中・後の健常者とうつ病患者の脳画像研究をされています
うつ病はドーパミンやセロトニンの欠乏、微小な炎症が関わっていて、脳のネットワークに機能異常がみられる「脳」の病気です
うつ病の患者さんに鍼治療をすると6か月後うつ症状が軽減したのですが、その時に脳にどのような変化が起きているか
前頭前野の血流が改善していました(これは一例ですが、症状の改善とともに脳血流も変化したということが証明されました)
次はリアルタイムに鍼を刺している最中の脳活動を調べるため、鍼を刺した状態でMRIに入ってもらい
鍼治療の前・中・後の脳血流の変化を調べました
うつ病患者さんは認知や意欲、判断に関係する左背外側前頭前野の機能低下がみられ、意欲減退・思考力・集中力の低下・興味・関心の低下といった抑うつ症状が表れます
それと同時に恐怖・不安など情動に関わる扁桃体の機能亢進がみられ、悲しみや憂鬱・不安・焦燥感などの症状が出現します
このようなうつ病患者さんに鍼をすると左背外側前頭前野の活動が賦活され、扁桃体の活動が抑制されニュートラルな状態に戻すような結果が得られました
鍼刺激が脳機能を正常化させ、抑うつ状態を緩和する可能性が示唆されました
現在うつ病治療でニューロモジュレーション医療が発展してきています
西洋医学では薬、磁気刺激、電気痙攣療法など脳に直接刺激する治療ですが、
鍼灸治療は末梢神経刺激により体性求心性神経を伝わって刺激が脳に伝わる、このようなプロセスのなかでの様々な生体反応を利用したボトムアップ型のニューロモジュレーションになります
鍼灸を用いた末梢神経刺激によるニューロモジュレーションが鬱病治療のなかで役割を果たせるのではないかというお話でした
次回は痛みと鍼灸と脳画像研究についてお話ししたいと思います



TEL.052-836-0003

