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2026.06.17

なぜ鍼で痛みがやわらぐのか

2026年5月世界的に権威のある科学医療メディアナショナルジオグラフィック誌が鍼の鎮痛作用に

関する最新研究を報じました。

《ナショナルジオグラフィック記事のポイント》

【鍼治療の新しいステージ】

鍼治療は長年「未知のメカニズム」とされてきましたが、現代科学の進展により、その正体が解明されつつあります。最新の研究では、鍼刺激が脳内鎮痛物質の放出を促し、脳活動に直接的な変化をもたらすといった、目に見える身体反応であることが明らかになっています。

【身体で何が起きているか?】

鍼が組織に刺入されると、細胞レベルで生化学的な連鎖反応が引き起こされます。ヒスタミンやセロトニンといった物質が放出され、それが神経系を通じて脳へと伝達されることで、痛みを抑制する信号へと変換される仕組みが解明されています。

【ハイテク機器によるメカニズムの「可視化」】

fMRI(機能的磁気共鳴画像法)や超音波診断装置といった最新の医療機器により、鍼刺激を受けた瞬間に免疫細胞が移動し、痛みを和らげる物質を放出する様子や、脳の痛みや感情を司る領域の活動を変化させる様子がリアルタイムで観察可能になりました。これにより、鍼の効果は視覚的にも証明されつつあります。

【伝統的な「経絡」の再解釈】

古代より伝わる「経絡図」は、現代医学における神経系や筋膜のネットワークと80%以上も一致していることが判明しています。特に効果的される「ツボ」の周辺は、ほかの場所と比べて神経線維の密度が約1.4倍も高く、現代科学の視点では「神経系へアクセスするための接続ポート(接続口)」として解釈されています。

【科学の壁:プラセボとの戦い(高倉教授開発の研究用鍼の貢献)】

鍼灸研究における最大の障壁は、治療効果が「患者の思い込み(プラセボ効果)」によるものか、真の生理作用によるものかを区別することでした。この難問を解決したのが、東京有明医療大学鍼灸学科の髙倉教授らが開発した「二重盲検用プラセボ鍼」です。この記事では、このデバイスを用いた厳格な臨床試験により、本物の鍼治療がプラセボを上回る持続的な効果(プラセボ効果では4週、本物の鍼治療は12週以上も効果持続)を持つことが世界で初めて証明された過程が述べられています。

【医療の未来:エビデンスに基づく医療へ】

科学的根拠(エビデンス)の確立により、鍼治療は「代替医療」の枠を超え、「根拠のある医療」として国際的に認められつつあります。薬物のような依存性がなく低コストの治療法として、特に依存性の高い鎮痛剤(オピオイド)の代替手段として、WHO(世界保健機関)もその普及を後押ししています。

東京有明大学ホームページより引用

記事リンク:
https://www.nationalgeographic.com/health/article/acupuncture-evidence-pain-management